愚痴の一生、感謝の一生

いろいろエッセイ
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 先日、久しぶりに精神科の外来へ診察を受けるために行ってきた。
 ありがたいことにわたしは通院が70日おきで、おそらく今は回復期にいるのだろう。そんなわけで久しぶりに病院へと行ったのだった。薬も睡眠導入剤が2mgから1mgに減ったので順調な経過なのである。統合失調症の症状も薬を毎日きちんと飲んでいるからだろう。これもありがたいことに目立った症状も出ていない。もちろん、体調に波はある。寝込むほどではないけれど調子が悪いという日もぼちぼちあり、毎日絶好調というわけでもないのだ。でも、調子が本当に悪くて寝ていることしかできない、ということはなくなってきたので、この調子でやっていけたらと思っている。
 さて、外来の待合室へと入って行った星である。と、言うまでもなくどんよりとした重い空気がわたしにのしかかってくる。以前にも記事に書いたけれど、病院というのはみんな調子が悪いから来ているのであって、元気がないのは当たり前なのだ、ということは分かっていても特に最近、わたしはこの空気が何だかとても苦手だ。おそらくわたしが元気になってきて健康度が増してきているからだろうと思う。「お、重い。」影響を受けやすいわたしは彼ら、他の患者たちの放つ空気に染まり始める。
 そんな重い空気の中、わたしはあることに気付く。人生楽しく生きた方がいいんじゃないか、ということにだ。
 彼らが苦しいのは分かる。なぜなら彼らは精神疾患で重荷を必死で背負っているからだ。彼らにとって人生とは苦役なのだろう。楽しくないし、嬉しいこともほとんどないし、毎日が嫌なことばっかり。全然、幸せじゃない。
 確かに置かれている状況として、笑うことができなくても当然という場合もあるかもしれない。それは認めなければならない。けれど、本当は笑えるのに笑わない、いや笑おうとしないというのは何だかわたしにはもったいなく思えてしまうのだ。
 苦虫を噛み潰したような顔をして、口から出てくるのは不平不満や愚痴ばかりで「毎日本当つまらないよね」と言っている人。一方で昨日紹介した教会員のOさんのようにいつも笑顔で常に感謝していて「ありがとう」が口癖で「わたしは本当に幸せです」と言っている人。どちらがいいとか悪いとかいう話ではなくて、どちらが幸せを感じているかと言えば後者ではないかと思う。
 人生というのは有限である。限られた時間しかなくて、時間が来れば終わってしまう。そんな貴重なものなら、なおのこと感謝して笑っていた方がいいのではないかとわたしは思うのだ。不平不満、愚痴ばかり言っていても人生はそんな調子で終わっていくし、感謝し続けたとしても、そうして人生は過ぎ去り終わりを迎える。
 もっとわかりやすく言うなら、誰かからリンゴを一個もらったとしよう。ある人はそのリンゴを「何ておいしそうなリンゴなんでしょう。とても嬉しいです。ありがとう」と満面の笑みで喜んで受け取った。一方、別の人はそのリンゴを「小さくて形が悪くて色もよくなくて全然美味しそうじゃないよ。よくそんなものよこす気になったね」と吐き捨てるように言いながら嫌そうに受け取った。この2人のうちどちらが幸せだろうか。間違いなく喜んで受け取った方の人である。もしかしたら人生とはこのリンゴのようなものなのかもしれない。幸せは自分が決めるのである。わたしたちには同じリンゴ、つまり平等に毎日が与えられている。神様から時間という有限な贈り物をプレゼントされているのである。それを楽しいね、嬉しいねと受け取るか、こんなものくだらないよと嫌々受け取るか。
 同じものを受け取ったなら喜んだ方が幸せである。これは言うまでもないことだ。
 だから、わたしは喜んでいたい。どんなに取るに足りないささいなことであってもいつも喜んでいたい。そして、笑顔を作るのはあまり得意ではないけれど、いつも笑顔でいるようにしたい。
 平和ボケ? あんまりニコニコしていると気持ち悪い? いやいや、いいじゃないですか。それくらいの方が人間いいから。笑って喜んでいて人生を謳歌し神を賛美する。これこそキリストに従った生き方だと思うし、幸福ってそういうことなんじゃないかな。
 逆に不平不満や愚痴をタラタラタラタラこぼし続ける人生って楽しくないと思うよ。だから、そういった負の感情を反転させよう。それには感謝することが何よりも大切。人間、感謝し始めたら愚痴など言えなくなる(笑)。感謝しながら不平不満や愚痴を言うことは絶対無理だから。
 笑うこと。喜んでいること。これらはつまり平和であるということだ。そして、もちろん心も平安に包まれている。いいなぁ。そういう風に人生を送ることができたら何て素晴らしいんだろう。
 この記事を読んで思うところがあったあなた、これは変わるチャンスだと思いますよ。明日から、いやこの瞬間からあなたは変われる。そして、きっと幸せになれる。

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