ヨガに真面目に取り組んで深めていこうとすると必ず突き当たる壁。それが禁欲ではないかと思う。サンスクリットではブラフマチャーリヤと言うらしいんだけれど、それができるか否かというのが大きいらしい。
今日、ヨガの本を読んでいたらそのことが書いてあって、やっぱりな～って思った。やっぱりそうなんだよなぁって物凄く腑に落ちたわたしなのです。
わたしがキリスト教の信仰をを深めていきたいと思った時にもやっぱり大きな壁として立ちはだかったのがやっぱり禁欲で、その時も結局守ることが全然できなくてそれから破って破って破ってと、全然守れていなかった。こ、これって最難関なんじゃないですか、と言うまでもなく男性の皆様は深く、それも深～くうなづかれることだろうと思う。思春期になってあの快感を知ってしまってからというもの、それから撤退することなんて全くできずにこの歳まで来てしまった。それが大方、圧倒的多数の男性の実状だろうと思う。
でも、何て言うか、聖性を求めたことのある人なら分かると思うけれど、放出するたびにその向かいたいと思う方向から大きく後退するのが自分でも感じられる。以前のわたしはキリスト教の聖性を求めていたわけだけれど、何か神様の近くまでやっと来れたなぁと思っていたのに、またはるか遠くになってしまう。そんな感じで、近付いては遠ざかり、近付いては遠ざかりを延々と繰り返して結局いつまで経っても近付けない。そんなジレンマを抱えていたことを今ふと思い出す。
それと男性なら分かると思うけれど、出すと何かげんなりしてぐったりしてしまう。自分のスタミナが一気に使われてしまって、疲れてしまうのはもちろん、体が急にカサカサに乾いてくる感じがしてカラカラしてくる。自分の中のエネルギーレベルが一気に低下するような感じと言ったらいいだろうか。
ってこれは女性の皆さんには分からないと思う。でも、分からない話かもしれないけれど、男ってそういうもんなんだなぁって聞いてくださいまし。
えーと、それでね、出すと寿命が縮むような感じもするんだ。自分の生命力を削ったみたいな感じもしてね。
だから、自分の活力というかエネルギーを高いレベルに保っておくにはやっぱり禁欲した方がいいという結論に至る。特にヨガの練習はすごくエネルギーを使うから、エネルギー不足のガス欠状態ではどう考えてもハードにヨガをやるのは無理。
体力、活力、やる気、生命力、聖性。すべてを高く保つためには禁欲しなさい。その本の説明にすごくわたしは納得した。
それによくよく自分自身のこれまでを振り返ってみると、特に２０代後半の激不調だったわたしの暗黒時代には一日に何回も放出していた。アダルトコンテンツに入り浸っていたと言ってもいいような状態で、それはそれはエネルギー的にも枯渇して渇いてカラカラになっていた。でも、その快感がやめられなくてもうカラカラで渇いて底をついているのに、それでもまるで絞り出すかのようにやっていたっけ。だからだろう。言うまでもなく、ひたすら毎日疲労感があったし、疲れやすく何かに集中するということも基本的にできないような感じだった。もちろん表情も暗く顔色も悪かった。オージャス（インドの伝統医学のアーユルヴェーダでよく言われる人を輝かせるキラキラした活力のようなもの）なんてひとかけらもなかったわけだけれど、今考えてみれば当たり前のことだった。さらにはメンタルも最悪で自殺未遂もその頃は何度かしていたし、まるで毎日が拷問か何かのように感じられていて、死ぬこと以外救いはないと思っていたりもした。
今は、と言えば、少なくとも出すことに依存してはいない。もちろんアダルトなものを消費することはしているのだけれど、適度に付き合うことができている。以前のように一日に何度も、なんていうことはそう言えばない。調子も良くなってきて、顔色も良く、表情も決して悪くはないと思う。
そこから、そこからさらに高みを目指したいというのが今のわたしなのだ。だから、今わたしが禁欲について悩んでいるのは、いわば段階が進んできたが故のある意味、贅沢な悩みだとも言える。ある程度は良くなってはきたのだけれど、さらに良くなりたい。そう思ってのステップアップなのだ。
放出した後に感じる倦怠感、疲れ、エネルギーの浪費感、枯渇感、聖性の後退、生命エネルギーの低下。わたしが感じていたことは全部インド人によって確認されていたことだった。インド人は経験則から、出さない方がいろいろな意味で良い効能があり、精神的にも満ち足りていられると結論付けたのだ。特にその中でも本来ヨガはいわば高みを目指していく修行者のものであるから要求されるレベルは高い。一般大衆であればちょっと控え目にしてね、くらいの話だろうと思うけれど、ヨガの道を深めていきステップアップしていきたいのであれば、禁欲すべし。完全に守ることはできないかもしれないけれど、できるだけ禁欲すべし、ということになるのだ。
わたしはいつもどうありたいのか？ どういたいのか？ 出して出して出しまくって、カツカツの渇いたガス欠の状態でいたいのか、それともオージャスに満ちあふれた状態でいたいのか？
たしかに男にとっては言うまでもなく、あの快感というか快楽は捨てがたいものがある。でも、そこをこらえる。こらえてみる。そして、どうしても暴走しそうな危険な状態になってしまったら仕方なく出すけれど、そうでなければ温存しておく。
と我慢するまでもなく、ヨガの本によれば、高尚な生き方をして心を清く正しく持つようにしていれば、そうした欲求を遠ざけることができるらしいんだ。って本当かなぁ？ 少々疑っているわたしではあるけれど、とりあえず禁欲してみようと思う。清く正しく美しくやっていきたい。
巷ではオナ禁をするとスーパーパワーが生まれる、という話もある。それはまさにヨガ的には王道で、活力がみなぎって心身共に充実する。オナ禁を広めようとしている人たちがブラフマチャーリヤという言葉を知っているかどうかは分からないけれど、ともかく方向性としては間違っていないと思う。
とここまで完全に男性の視点から禁欲について考えてきた。女性の場合はどうなんだろう？ 女性も男性ほどではないにしても、禁欲するとムラムラしてくるのかな？ と考え始めると禁欲中のわたくしはムラムラしてしまいますので、とりあえずは良しとしていただきましょう。女性の皆さんはここまで退屈だったかもしれない、と思いつつも男ってこういうものなのよ、っていうのは分かってもらえたかと思う。だから、無駄なおしゃべりではなかったはず。
ヨガを真剣に深めていきたいのなら禁欲すべし。まぁ、ヨガっていうのは修行ですから。禁欲の先にどんなわたしが待っているのか、とても楽しみ。と言いつつも１週間守るだけでもキツかったりして。なんて言わないでやっていこうと思う。新しい自分と出会うための第一歩を踏み出したわたしなのです。
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1983年生まれの高卒のエッセイストです。
ヨガをこよなく愛していて、ヨガ歴１年半くらいといったところです。
アシュタンガヨガをやっています。
教会に行っていないクリスチャンです。
統合失調症と吃音ですが、それなりに毎日を楽しくやれています。
