スパイスのある生活

「カレーは少しお休みにしてくれない?」それもそのはずで、星家では夏のカレー祭り真っ最中なのだ。カレー、カレー、カレー。ここ一週間くらいは連日ほぼ毎食のようにカレーが続いていた。そして、冒頭の母の言葉。
 こうしたスパイスのある生活が始まったのはかれこれ3年前のこと。ある時、わたしと母は駅周辺のインドカレーの専門店に入って食事をした。そのカレーは本場の味が再現されていて、まさに本格的。調理をしている人も外国の方で、母国はカレーの国なのである。そういうわけでそのカレーがすごくおいしくて、3、4回はその店へ行ったと思う。
 で、ある時、わたしはひらめいたんだ。こうして毎回カレーを食べに来るのではなくて、自分で作ればいいんじゃないか、って。そうすれば、店で食べるよりも安くできるだろうし、量だってたくさん食べたければ多く作ればいい。
 その日からわたしのスパイス生活は少しずつ始まっていった。まず、アマゾンでスパイスカレーの本を探して早速買ってみた。その頃は印度カリー子さんが活躍し始めたころで、世間はちょっとしたスパイスカレーブームとなっていた。長い物に巻かれるのが案外好きなわたしは、そんなにカリー子さんのカレー本が人気があるのなら、と買ってみたのだった。
 そうして、ネットでスパイスを買い、その他必要なものも買っていざ挑戦。最初は最初だっただけに作るのに1時間以上はかかったけれど、何とか無事完成。
 食べてみる。カリー子さんには失礼だけれど、店よりもおいしく作れるなんて全く思っていなかった。案外、シャバシャバした感じの一応のカレーしかできないんじゃないか。そんなことを考えていたものだった。が、予想をはるかに上回る出来映え、お味にわたしと母はうなったのだった。「これって店のやつよりもうまいじゃん!!」って。こんなにうまいものが作れるのに何でわたしの人生においてスパイスカレーを作って来なかったのだろう、とさえ思ってしまうような自作カレーの衝撃的なうまさ。店のカレーとの決定的な違いは、塩分と油が少な目で体に優しくて軽いということ。店のカレーは終わり頃、少し胃がもたれていたけれど、このカレーは全然そういうことがない。また、塩がふんだんに使われている店のやつと違い、塩分過剰にならず実に健康的(とは言うものの、塩はレシピの量の半分くらいにしてはいた)。店以上においしいカレーが自宅で簡単に作れる。スパイスカレーブームが起きているのに納得したわたしたち親子なのだった。
 それから3年の月日が流れて今に至るわけだけれど、それから自分なりにスパイスカレーの本を他にも買って、自分に合うものを探した。まだわたしのカレー道はおぼつかない足取りではあるものの、着実に歩んでいる。
 ここ1年くらいはエリックサウスの稲田さんのカレーのレシピ本にお世話になっている。彼のカレーの特徴は実に若者向けの味付けだということだろうと思う。何というか、カリー子さんのカレーがほんわか優しいのに対して、稲田さんのカレーはバシっと刺激がある、いわば男性的なカレーなのだ。自称若者(もうわたしも40近いけど)のわたしはこれにハマってしまったのだ。(もちろん、塩と油はレシピの規定量の半分にしてはいる。)さらに、カリー子さんのよりも簡単に短時間で作れるというのもいい。カリー子さんのカレーはしょうがとにんにくをみじん切りにする。でも、稲田さんの方は出来合いのしょうがとにんにくのすりおろしで作ればいいのだ。それだけでも作る手間が少なくなって楽になる。それから、カリー子さんの方が計量スプーンをおもに使って作るのに対して、稲田さんのははかりを使ってg数で調理する。カリー子さんのもまた魅力はあるのだけれど、稲田さんの方が合理的でわたしにはその方が作りやすく彼の本を愛用させてもらっている。
 ここまでスパイスカレーについて書いてきた。しかし、わたしはカレー以外にもスパイスを活用している。ここから話はアーユルヴェーダへとつながっていく。インドの伝統医学であるアーユルヴェーダではスパイスを用いることを推奨しているのです。で、どういう使い方をしているかと言うと、体調に合わせてスパイスをお湯に入れて飲んでいる。気分がソワソワして落ち着かない時はコレ。少し落ち込み気味の時はコレ。やる気を出したい時はコレ、とその時の状況に合わせてスパイスを飲むようにしているのだ。その中でも万能選手のコリアンダーにはお世話になっていて、日常的にコリアンダーはお湯に入れて飲んでいる(あ、シードじゃなくてパウダーのやつね)。コリアンダーをお湯に入れて飲むと、実に気持ちが落ち着いて整えられるのです(1回につき小さじ1杯くらいのコリアンダー)。特にコーヒーを飲んで少しソワソワして落ち着かないなぁっていう時にコリアンダーを飲むとすごくいい。これが気持ちを落ち着かせたい時に飲むやつ。反対に気持ちが少し停滞していて落ち込み気味でやる気を出したい時には、すりおろし生姜とターメリックを小さじ1ずつお湯に入れたものを飲む。そうすると軽い気持ちの沈みであれば大抵回復する。あとはこれを基本として、甘草やカルダモンやシナモンなどを組み合わせる感じかな。もちろん、こうしたスパイスをお湯に入れたティーが精神安定剤などの医薬品に相当する効果があるかと言えば、そこまでは効かないだろう。でも、ほんのりと体を整えてちょっとした不調を治すという意味ではこれはとても効果のあるセルフケアだと思う。
 スパイスカレーから始まって、アーユルヴェーダ、ヨガ、瞑想とインド的なものへ広がっているわたしのスパイス生活。こうした生活を送るようになって、体が整えられてきたんじゃないかって自分でも思う。インドって奥が深いなと改めて感じさせられる。
 さ~ぁて、今日は何カレーにしよっかな~。休肝日ならぬ休カレー日を一日つくったところで、またわたしのスパイス生活(特にカレー)は続いていく。もう今となってはスパイスが生活に欠かせなくなった。スパイスと共に健康な生活を送っていきたい。



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