星料理長?

いろいろエッセイ
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 人間が生きていく上で欠かせないもの。それは食事である。何を当たり前のことを、と思われたかもしれないが、これはすごく重要な事実だと思う。平均的な日本人であれば、三度三度のごはんが必要なのだ。
 食事をする。それもおいしいものを食べる。すると、何というか、とても満たされた気持ちになってくる。心が充足するというか、ほんわかあったかい気持ちになるというか。とにかく幸せな気持ちになれるのだ。そのことは北海道浦河のべてるの家のワーカーの向谷地さんがメンバーから「死にたい」と投げ掛けられると、「お腹すいてない?」とその人に訊ねるという逸話からも伺える。人生は戦(いくさ)ではないけれど、腹は減っては、との通りなのだ。お腹がすいていたり、インスタントな食事ばかりでちゃんと食べていなかったり、無理なダイエットをしていたりすれば、そのことは精神状態にも直結してくる。心の安定のためには、しっかりとした食事をすること。これなのである。
 わたしの暗黒時代と言ってもいい大学生のころ(宮崎時代)、わたしは食生活に無頓着だった。カップラーメンと野菜ジュース、以上。そんな感じの日々だった。もちろん、そんな食生活を送っていれば、メンタルは不安定になるし、しまいには湿疹のようなものが出てきてしまっていた始末だった。
 それと比べて今は、と言えばまさに雲泥の差ではないかと自分でも思うのだ。ほぼ毎日何か料理をしていて、それはそれはおいしくいただいているのだ。母と二人暮らしのわたしだけれど、お料理は原則、わたしの担当なので(たまに母も作ることがあるけれど)もっぱらわたしが作っている。
 お料理。それが楽しいんだよ。日に日に上達してきているのが自分でも分かるんだ。前、60分かかっていたのが45分でできるようになっているっていうこともよくあることだし、料理の出来映え自体も経験を積むごとにクオリティーが上がってきているんだ。自分でも分かる。だんだん料理がうまくなってきているって。
 お料理ってやっぱり慣れだなって思う。やらないことにはとにかく上達しない。やるのみ。やっていけばそれだけうまくなっていく。
 まぁ、料理に時間を割くのは得策ではないから、簡単に出来合いのお弁当とかで済ませるよ、という人もいるかもしれない。でも、自分で作ることのメリットはおいしいものが我が家にいながらにして安くできることじゃないかなって思うんだ。
 最近はパスタに凝り始めていて、連日少なくとも1日おきくらいにはパスタだ。で、さけのクリームパスタとミートソースのパスタを作ったんだ。この2つなんだけど、もううますぎて店レベルなんだ。下手したらそこらへんの店よりもうまいんじゃないかっていうレベルで、それはそれは美味しくできたんだ。
 これらをもしも店で食べたら、一皿1500円くらいはするんじゃないかな。いや、もっとするかもしれない。それくらいの絶品パスタ。それがおうちで作ると2人分で1000円もかからず作れてしまう。や、安い。
 さらには、外食だと塩と油がどっさり入っていることが多いんだけど、自分で作ればそれを加減することができる。調整できるんだ。これ、とってもいいよ。安くおいしいものが作れるだけじゃなくて、健康に配慮することもできるんだ。まさにこれこそ、おうちごはんのメリット。
 そんなわけで料理はわたしにとって生活の一部となりつつある。思うんだけど、やっぱり自分を粗末に扱ってはダメだよ。中には、自分にとってカップラーメンが最高の食事だから、それを毎食365日食べたいんだという変わった人もいるかもしれない。でも、そういう人はほとんどいなくて、おうちで心を込めて作った手料理を食べたいなって思うんじゃないかな。出来合いのお弁当とかも悪くないけれど、もっとそれ以上に愛情が感じられるもの。それが「おうちごはん」なんじゃないかって思うんだ。自分に素敵な食事を用意する。自分を大切にするという意味でも必要なことだよ。と言いつつもわたしだって完璧に自炊はできないから、加工食品を食べることだってある。でも、この手作りの料理の素晴らしさに開眼してしまった以上、できるだけ自分で作っていけたらなって思う。
 星の料理のレパートリーはまだまだ少ないけれど、その一つひとつがキラキラ光っているんだ。リア充を目指すには、お金をかけた高級レストランへ行くという方法もあるけれど、そうしなくても十分、いや十分すぎるほどにおうちごはんはまさにリア充の象徴だな。質の高い生活を送ろうという気持ちが全面に現れていて、とても意義があるよ。
 わたしたちは食事をする。死ぬまでにあと何回食事ができるのだろう、と考えてみると意外と少ない。1年でだいたい1000回だから、わたしの場合はあと少なくとも42年生きると見積もって4万回くらいか。死ぬまでにそれだけ食事ができるなら、その時間を有意義なものにするのはまさに人生の質を高めることだ。泣いても笑っても4万回。だったら、おいしいものを食べた方がいいじゃないですか。楽しんで充実させた方がいいじゃないですか。ま、健康を害さないように美食ばかりはやめとこうとは思ってるけど。
 それと、わたしたちの体と心は食べたものによってつくられているから、食べ物は薬のようなものだ。
 だから、おいしくて、経済的で、体にいい食事を心をこめて作ることができたら最高だな。で、そういう食生活を送って、健康的になれたらなお良し!
 というわけで母命名の星料理長(母はわたしのことを料理長とも呼ぶんだ)は今日もおいしいごはんを作るのであった。そして、料理長の称号に負けず劣らずのそれはそれはおいしい料理の数々。「シェフになるのもいいかも?」とまた地に足のつかないことを言い始めた星だけど、それもいいかもね。って満更でもないのかも。ま、言うのは無料だし、自由だからね。星さんの作る料理はおいしいぞ~。
 料理ができる男になりたい。それがわたしの願いである。

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