時間

いろいろエッセイ
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 わたしには時間というものが分からない。不可解で怖い。
 一番怖いのは、わたしが気が付いたらもうおじいさんになっていて、あとは死を迎えるのを待つだけになっている、ということにならないかということだ。
 もうこの文章を書き始めてから4分も経っている。4分という時間。これが不可解なんだ。分からないんだ。何で時間が過ぎていて、流れて行っているのかということが分からない。
 わたしは時間に止まってほしいと思ってしまう。一秒たりとも歳を取りたくないし、死へと向かって一秒ずつじりじりと命が削られている感覚ももう味わいたくない。
 わたしは何を恐れているのだろうか。死ぬことだろうか。それとも年老いていくこと自体を恐れているのか。
 死んだら天国が待っていて、そこにわたしは加えられるんだ。こう素朴に信じている。けれど、何が怖いかと言えば、自分が消えてしまうんじゃないかってことで。でも、そうなったらそうなったでもう仕方ないのかもしれない。洗礼を受けた。イエスさまを信じた。やれることはやった。それで裏切られたのならもう仕方がないよ。
 わたしの活動限界時間は一体いつ頃にゼロになるのか。それは分からない。

 星よ、死ぬのが怖いのか?
 はい、神様。

 どんなにあがいてもいつかは死ぬ。それだったら、不安になったり恐れたりしないで、ドーンと構えていればいい。ってそれは分かっている。言われるまでもなく分かっていることなんだ。でも、怖いんだ。死ぬのが。消えてなくなってしまうことが。消滅してしまうことが。
 でもさ、案外消えてしまうのって、完全にありとあらゆる場所からいなくなってしまうのって意外とスッキリしてていいかもよ(笑)。ってそこ笑うとこじゃないだろ。わたしの中の楽天的な部分はこんなことをわたしに語りかけてわたしを説得しようとする。
 消えるのって悪くないのかな? 寂しい気もするけれど案外悪くないのかな? まぁ、こればっかりは死んでみなければ分からないな(笑)。ってそこ笑うとこじゃないだろ(2回目)。
 どんなに死にたくないんです、とアンチエイジングに励んで、体にいいことをいっぱいして、病気ひとつかからなかったとしても、最後は死ぬんだ。もちろん、この世で苦しい怪我とか病気なんかにはならない方がいいけれど、こうした若返りの技法も根本的な解決にはなりそうもない。そうではなくて、人生をいかに楽しんで満喫するか。そのためにアンチエイジンングなどの若返りの技法はあるんだ。そこのところを誤解してはいけない。
 わたしが20代のころ、ある人はわたしにこんなことをネットの掲示板で語りかけてくれた。「楽しむことが大事だと思いますよ」と。当時はその「楽しむ」という言葉に何言ってるんだよくらいの気持ちで反発したけれど、今改めて彼が言ってくれた言葉を味わってみるならなるほどと合点がいく。
 さきにわたしは命がじりじりと削られていく感じを味わうのはごめんだ、みたいなことを書いた。でも、それも捉え方を変えれば、じりじり命の残り時間は減っていくけれど、その分楽しかった時間が逆にじりじりと増えていくことを意味する。人生の経過時間は確実に増えていく。その時間を有意義に過ごせてきたのであれば、たとえ自分の人生の残り時間が減っていったとしても、時間というお金を使って楽しい時間を買えたのだから文句なしではないかと思う。
 わたしたちは言うまでもなく時間を使って生きている。時間を消費しながら、いや消費しなければ何もできないのだ。だから、時間を使う。けれど、時間を使うのが嫌だからと時間を貯蓄しておくことはできない。どんな人にも平等に一日24時間がほいさと与えられる。その時間を生かすも殺すも自分次第なんだ。
 何かをしても、何もしなくても、時間というものは無情にもなくなっていく。だったら、その時間を大切に有意義に使うことを考えた方がいいんじゃないか。何だ、そんなこと分かっているよとも思えるけれど、案外このことって盲点なんじゃないか。どんな風に時間を使っても、無駄に過ごそうと大切に使おうと時間は容赦なく過ぎ去っていくんだ!!
 時間というものは本当に尊い。そして、生きていく上でなくてはならないまさに必需品。わたしたちは時間と空間の中でしか生きられない存在。
 改めて自分自身にこう問いたい。「あなたは本当にその時間の使い方で後悔しないですか? 満足していますか?」
 ためておくことも、先取りすることも、再び使うこともできない時間。だったら有意義に使いましょうよ。神様からもらった時間を大切に光り輝かせましょうよ。
 わたしが不調になると必ず感じる時間への違和感も、もしかしたらわたしに「時間を大切に使いなさいよ」というメッセージを送ろうとされている神様からの伝言なのかもしれないと想像してみる。だから、不調もあながち無意味ではない。すごく大切なことを教えてくれている。今回だってこの不調に陥らなければこのことに気付けなかった。
 不調も恵みかも。ってまだ達観できてないけど。
 どんな風に過ごしても時間が流れていくのだから後悔しないような、そんな有意義な使い方をしていけたらと思う。それこそが幸福な味わい深い人生を送る秘訣なのかもしれない。幸せな時間でわたしの人生をいっぱいにしていけたら最高だな。

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