結婚

いろいろエッセイ
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 スーパーへ買い物に行ったり、ちょっと外へ出掛けると目に付くもの。それは子どもだ。最近、前よりも子どもの存在に気付くようになってきている。
 とふと、このまま結婚もせず子どもも持たなくていいのだろうか、などと無いものねだりを始めるのだ。家族を築く。それっていいものなのかなぁ、とぼんやりと思ったりする。
 もうわたしも今年で40。結婚が早い人だともう20代で子どもがいるから、そのペースで生きていたら今、わたしには中学生くらいの子どもがいることになる。
 と言いつつもわたしは女性とお付き合いしたことさえない。いわゆる非モテなわけだけど、結婚とか子どもがどうこうと言う前にまずは女友達を作るくらいのところから始めた方がいいんじゃないか。でもなぁ、何か面倒くさいんだよなぁ。それにデートにしろ何にしろ、食事をするにしろお金がかかるでしょ? 今、そんな余裕ないから。自分の生活をするのにカツカツでそんな余裕なんてなくて、さらにそれに結婚となって新居のためのお金とか子育てのためのお金とか求められても、経済的に無理。そもそも働いていない人間が結婚だぁ何だというのがおこがましい話なのかもしれない。まず働け。結婚はそれからだってね。
 でもね、精神障害者同士の結婚でね、お互いの障害年金を持ち寄ってささやかに暮らしているという人たちもいるらしいのよ。何かそれってすごくいいね。お互いに高望みをしていないというか、年収○○万円ない人とはやっていけないとか、そういうことは言わないで、お互いの障害年金でやっていきましょうだからね。
 おそらくこのまま行けばわたしは生涯非婚のシングルのままだろう。でも、それもいいかもな。結婚とか、子どもとか、家庭を築くなんていうのは真面目に仕事をしている人間だけが叶えることのできるリッチな営みなんだよ。それにわたしが働かなければ、仮に子どもができたとしても子どもが可哀想じゃあないか。
 冷静に考える。みんながやっていて楽しそうだからとか、それが人並みだからとか、そういうことで自分の人生のあり方を決めるべきじゃないんだ。もっと冷静に、何を自分はこの人生に求めているのかと自問自答した方がいい。結婚にしても、それが今の自分に必要なものなのかどうか真剣に考えた方がいい。でなかったら、あとでやっぱり予想通りうまくいきませんでした、と泣き言を言うことになる。予想している段階でうまくいきそうもないのなら、プランの段階でもう無理そうなのであれば、やっぱりそれは無理というか無謀な試みなんじゃないか。
 もしもわたしが素敵な人とめぐり会って、どうしてもこの人と結婚したい。そして、一緒に何が何でも暮らしたい。そのためだったら毎日つらい仕事だって何だってやってみせる。それくらいの気概が出てくるのなら、結婚したっていいと思う。けれど、今のわたしの状況というか状態は、恋愛とかお金がかかるし、面倒くさそうだし、シングルも気ままで満更捨てたもんじゃないと思っているわけだから、こんな調子で結婚するとかどうとか言うのは相手にも失礼だと思うのだ。結婚とか家庭を築くっていうのは古風かもしれないけれど、いや、古風がどうこうではなくて責任を伴うことなんだ。ただ楽しいから、相手のことが好きだから、ではまかり通らない。
 つまり、わたしはどうしたいんだ? というか、どんなライフスタイルを送ることをわたしは望んでいるんだ? そうですねぇ、結婚はしてもしなくてもいいから、とにかくのんびりと自由気ままに心の平安と共に生きていきたいですねぇ。ということは、結婚にこだわっているわけではないんだ。むしろ、結婚生活を送るために必要な資金を稼がないといけないとしたらかえって、今の平安な生活を犠牲にして身を粉にして働かなければならないんだ。そうなったら、家にいて、好きなだけ本を読み、母と笑いあってのほほんと過ごす、こんな生活はもう続けられなくなる。もう予想するまでもなくまともな結婚生活を送るのだとしたら、働かなければならないから当然、生活の中心は仕事になるし、そうなったらなったで自分の時間は激減する。それでいいのか。星さん、あなたは本当にそれを望んでいるの?
 だから、最近の若者の中にはシングルの独身生活を謳歌するためにあえて結婚せず行こうとする人たちがいる。それがいいとか悪いとか、人口減少しちゃうじゃないかなどと難癖つけることもできる。でも、そうではなくて、それはその人が選んだ人生なのだから尊重してほしいと思うし、わたしがもしもその道を取ったとしても批判したりしないでほしいのだ。
 わたしはもしかしたら社会の底辺に近いところに位置しているのではないか。その可能性が実に濃厚である。
 で、今思い付いたというか、こんな人と結婚したいという理想が頭に浮かんできた。それはお金なんてなくていいから、生活保護で暮らすことになってもいいから、いや、むしろわたしが働いてもいいから、大地さんわたしと一緒にいてください。あなたという存在が必要であなたと一緒に生きていきたいんです、と言ってくれる人だ。わたしはそんな人と結婚したい。お金がほしい? ゆとりのある暮らしがしたい? 他をあたってくださいな。お金もないし、学歴もないし、社会的な地位も立場もない。多少容姿はいいかもしれないけれど、労働意欲はほぼゼロ。こんなわたしを好きになってくれる人いないかもしれないけれど、日本に女性は6000万人もいて、そのうち未婚で結婚を望んでいる人は数百万はいるだろうから、一人くらいものすごく気の合う人はいるんじゃないかって思う。一人、たった一人。わたしのことを気に入ってくれて、わたしに惚れてくれる人は必ずいるはず。ものすごく気の合う素敵な人がいたら、その人のことを大事にしていきたい。囚人でも伴侶はいる。だったら、金なし、学歴なし、吃音で精神障害ありの問題ありのわたしであってもいいって言ってくれる人、いるんじゃないかな。でも、運悪くそういう人とめぐり会えなかったらただ細々とシングル生活を楽しんでいくだけだ。謳歌していくだけだ。
 何も何百万人もの女性のハートを射止めるという話ではない。一人でいいのだ。一人、たった一人でいいから射止めればいい。だから、そんなに難しいミッションではないと思うんだけどな。
 これから先、わたしの人生に何が起こるかは分からない。結婚するのか、それともシングルでいくのか、それは分からないけれども、わたしはわたしとしてしっかりと毎日をやっていくつもりだ。
 結婚というか籍は入れないで、茶飲み友達のような感じでお付き合いしていくという関係もあるし、結婚という形にばかりこだわらずにやっていけたらと思う。ともかく自分の幸せにプラスになるような関係性を作っていきたいものだ。その関係によって不幸になったり影がさしたりするのであれば、そうした関係は解消した方がいいし、そもそも持つ意味がない。
 自由気ままに暮らしながら、パートナーも見つけられたらいいな、というのが今のわたしの希望なのだ。欲張りというかわがままなのは十分承知の上。働いていなくてお金もないわたしは多くの女性には見向きもされなくて門前払いだろう。でも、どこかにわたしの良さを分かってくれる人がいるんじゃないか。お金とか、学歴とか、肩書きとか、そんなつまらない尺度ではなくて、もっと大きな目で受け止めてくれるような人が現れるんじゃないか。もしかしたら65歳とかで初婚とかね。まだまだ人生は長いから分からないよ。どうなっていくのか乞うご期待。つづく

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