だから爪切れってば

いろいろエッセイ
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 わたしの文章なんて誰も読んでくれない、などと最近の記事でもぼやいたりしているけれど、そんなことはないのだ。このブログだって何だかんだでアクセス数はゼロにはなっていない。それに、というかわたしの旧ブログ(Jugemブログの「1ヨハ3:16」)がどうやら好調なようなのだ。わたしが過去に書いた記事が皆様に読んでいただけている。ありがたい。実にありがたい。
 けれど、この新というか今のブログがアクセス数が今一つ伸びない。なぜだろう、と考えてみると、旧ブログには笑いとほろりがあったからだということに気が付いた。モンシロチョウについての記事なんて、我ながら読み返してみると、よくあれだけふざけることができたもんだと感心するくらいだ。それから、しんみりといい話。ほろりとさせるようなジーンとさせるような話が結構ある。それに比べたら、今のわたしの新ブログの記事のほとんどは堅苦しくて、ほろりとするような話もほとんどなくて、ほぼ真面目一辺倒。これじゃあ、また読みに来たいって思ってもらえないなって何だか身につまされてくる。
 というわけで前置きが長くなったけれど(え? 前置きは要らないって? すまん、すまん。ついおしゃべりしたくなるのが星の悪いクセね)、ここから何か面白い話ができたらと思う。うーん、どんな話をしましょうか。
 そうだな。うちの猫のルルの話をしよう。ルルさんはね(猫なのにさん付けしたくなるような気品にあふれている。いや、ルルさまってお呼びした方がいいだろうか)、後ろ足とかお尻をさわられるのが本当に嫌なんだ。特にルルさんがリラックスしてくつろいだりしている時なんかは、そこをさわるのはまさに厳禁で、こちらがふざけてさわろうものなら、新幹線よりもおそらく速い猫パンチが飛んでくるんだ。しかも、その猫パンチね、本当来た瞬間寒気がする。どうしてかって言うと、爪を切ってないから。爪切ってないから、まさにルルさん、いやルルさまの高貴な御足には鉤針状とでも言うべき凶器が備わっているわけ。だから、目にも止まらない早さの猫パンチが飛んできたのをこちらが認識した瞬間、サーっと血の気が引いてヒヤっとするわけ。
 ルルさまのおくつろぎタイムを妨害すると「何よ」とでも言うばかりに彼女(注:ルルさまのこと)は怒って不機嫌になる。猫パンチ後のルルさまはまさに不機嫌のかたまりで、もうそうなると頭をさわられるのも拒否するし、もう目に映るすべてのものが不愉快になる。で、ルルさまのおくつろぎタイムをぶち壊した張本人のわたしは「ルルちゃん、怒ると体に悪いよぉ」などとへらへらして一向に反省している気配などない。
 リラックスタイムを邪魔すると怒るのはもちろんのこととして、機嫌がいい時であっても、山の天気のように変わりやすいルルさまのお心はとたんに雷雨になることもある。特に猫パンチを回避することが難しいのは、機嫌がよさそうに頭やあごの下などを下僕のわたしになでてもらっている、と思いきや、急に何の前触れもなく「もういい。うざいのよ」と気分が急変するような時だ。これには小さい頃から猫と一緒に暮らしてきたまさに師範代とでも言うべき上級者の母も何度かざっくりやられている。師範代は猫の扱いがうまいのだが、それでもかわしきれない時というのがある。で、ざっくりとやられてしまい出血する次第なのだ。師範代の母のすごいところは、その手のかわし方。身のこなしならぬ、手のこなし。手さばき。ひょいひょいひょいとルル5段の攻撃をほぼ見事に処理してかわすのだ。白帯のわたしなら確実にやられているような状況であっても、母は何事もなかったかのように済ませてしまう。が、そんな師範代の母であっても不意打ちはやはりかわせない。それに師範代といえども油断している時もある。そんな時、多くはルルさまをかまいすぎた時などにざっくりとやられてしまうことが多い。「もういいのよ。あんたうざいのよ」てな具合に手が早いルルさまは間髪入れずに猫パンチをかましてくるのだ。
 変わりやすいもの。それは山の天気と為替相場とルルさまのご機嫌。
 とここまで恐怖の猫パンチについて書いてきたけれど、こう思われた方もいることだろう。ってか普通こう思う。「爪切ればいいんじゃないの?」その通り!! 爪を切れば万事、問題は解決。ルルさまの爪という凶器を無力なものにしてしまえば、新幹線の刃が飛んでこようが何もこわくない。が、ルルさまは爪を切られるのが大層お嫌いで切らせてはくれないのです。と思いきや、案外渋々ながらもおとなしく切らせてくれるのです。だったらなぜ切らない? 切れるのに切ってないってこと? そ、それは……。口ごもり始めるわたし。これには深い深い意味がござりましてな。
「だってめんどくさいんだもん」
 ま、まさに怠慢。ということはそれだけのために時々、ざっくりとやられておりまするのだ。
「だってめんどくさいんだもん」
 重ねて言います。
「だってめんどくさいんだもん」
 これが、真相だった~!!
 リピート・アフター・ミー。
「だってめんどくさいんだもん」
 Datte mendokusaindamon.
覚えましたか? ここ大事ですよ。
「だってめんどくさいんだもん」
 テストに必ず出ますよ。覚えておきましょうね。
 今日もへらへらと一向に反省する気配もなくルルさまのおくつろぎのお時間を妨害する傍若無人な星。今のところ、師範代の母直伝の受け流しを駆使して大事には至っていないものの、いずれ手負いになることは確実で、それはまさに時間の問題だろう。っていうか爪切れよ。めんどうとか何とか言わないで爪切れよ。ごもっとも。でも、重要構文で新学期のテストに必ず出題されるであろう「だってめんどくさいんだもん」ってことなんだろうな。つまりは。でも、爪切ったらもっと星の妨害は過激化するよ。というわけで爪を切らないことによってルルさまとわたしの絶妙なバランスが保たれているので、ま、現状がいいってことになるのかな?(よく分かんない理屈だねぇ)
 ルルさまと白帯の星(もう茶帯くらいの実力ついたかも)の攻防は今日も続くのであった。ってやっぱ爪切っとこうかな。大地38歳、ヒヤヒヤする~~。だから爪切れってば。

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