礼拝の説教の感想「わたしが、わたしが」

キリスト教エッセイ
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 只今の時刻は午後1時かといったところ。今日は日曜日で教会へ行ってきた。礼拝なのだ。というわけで、礼拝での説教の個人的な感想をまとめてみたいと思う。
 今日の聖書の箇所はルカ12:13-21。なかなかイエスさまは厳しいことを言われているところで、身が引き締まる思いがする。
 牧師はこんなことを説教で語った。この箇所を原典で読むと、「わたしの」とか「わたしが」というのが逐一書かれている、と。この日本語訳の聖書ではそれを書くとくどいから省略されているのだ、と。わたしの倉、わたしの穀物、わたしの財産、といった調子でギリシア語では書かれているらしい。わたしはそれを聞いて、確認しようにもギリシア語はさっぱり分からないので確認しようがないものの、それが本当だとしたら、ここでイエスさまがたとえで語られている愚かな金持ちはひたすら「わたしが」「わたしの」と自分中心な単語を連呼していることになる。自分がどうか、どうするか、どうしていくか。自分しかその金持ちには見えていなくて、彼の視点はとにかく自分だ。
 そこからさらにイエスさまがわたしたちに教えてくださった主の祈りへと話は及んでいく。「わたしたちに必要な糧を今日与えてください。(マタイ6:11)」であって「わたしに必要な糧を……」ではないと牧師。「わたしたち」であって「わたし」ではないのだ。イエスさまが教えてくださったこの主の祈り。何にも考えずに祈ってきたけれど、イエスさまはみんなに糧が与えられることを祈り求めなさいと言われているのだ。自分が、自分だけが良ければそれでいい、などとはおっしゃられなかったのだ。だから、今日の箇所の愚かな金持ちはイエスさまの主の祈りの精神と真っ向から衝突するのだ。わたししか見えていないこの金持ちと、わたしも含めたみんなに視点を及ばせなさいと教えられたイエスさま。
 このイエスさまの視点。ついわたしは忘れてしまって、わたしが、わたしが、ってなってしまうんだけれど、それではダメだとイエスさまははっきりと言われているのだ。まさに富や資源や土地や食糧などを独り占めしようとする現代社会の申し子たちへの痛烈な批判である。自分さえよければ他人なんてどうだっていい。そんな自己中心的なあり方ではダメなのだ。それは隣人愛とも真っ向から対立するあり方だ。そうではなくて、みんながハッピーな世の中になるよう、視点を自分中心から解放してみんながどうかというところまで広げていく。だから、行動においても、祈りにおいても自分中心を卒業する。自己中心的なあり方から脱却していくのだ。多くの人がそうしていったらもっと世界はハッピーになるだろうな。
 でも、これはわたしの個人的な意見だけれども、人のことを考えるにはまずは自分を満たすことだと思う。自分がカラッカラで荒廃していて、余裕なんてひとかけらもない。そんな状態では誰かに愛を注ぐことなんてできない。だから、わたしはまずは自分を充実させて満たしたい。そして、できることを人々に奉仕していけたらと思っている。
 わたし自身、ヨガをやり元気になってきた。精神疾患からの影響を受けている時間もだいぶ減ってきて安定してきた。あともう少し。あともう少ししたら誰かのために本格的に何かできるかもしれない。今のところは人の話をおだやかにあたたかい心と態度で聞くとか、毎日を楽しく健やかに普通に暮らすとか、おいしい食事を作るとか、それくらいのことしかできていないけれど、一歩ずつ前進しているように思う。わたしにとっても、自分のためだけでなくて他の人のために生きる方向性がしっかりと立った時にこの長い青年期が終わりを迎えるのだろう。
 また、説教中に牧師がこんなことも言った。牧師は、この説教が信徒のある人にとって人生で最後の説教になるかもしれない、という緊張感を持って語っている、と。たしかにその通りで、特に高齢の方にとってはこれが最後の説教になるのかもしれない。でも、牧師はおそらく人間はいつ死ぬか分からないということも含めた上で言っているのだろう。「これが最後の説教かもしれないと思って聞いてほしい」と語ったのだ。わたしは明日も明後日もそれから先もおそらく死ぬことなく生きているだろう。でも、その保証はどこにもない。明日死ぬかもしれないからだ。だから、今日の夕食だって最後の晩餐になるかもしれず、今夜だって最後の夜になるかもしれない。それは分からないものの、そう考えるとこの一瞬がとてもかけがえのないものに思えてくる。
 以上、自分中心からの脱却についての話と、これが最後の説教だと思って聞いてほしい、との2つの話が今日の説教でわたしが一番印象に残ったことだ。これからまた一週間、世に送り出されたわけだが、この2つを心に留めながらさらにていねいに毎日を生活していきたい。神様、ありがとうございます。アーメン。

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