祖母が高熱で病院へ行き入院か!?

いろいろエッセイ
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 祖母が熱が37度5分だと言う。7度5分といえば発熱している体温で、解熱剤を飲んでもいいくらいだ。そういうわけで、薬を飲むように言ったわたしだった。
 薬を飲んだ祖母だったが不安はおさまらないようだ。しきりに「どうしたらいい?」とわたしに尋ねてくる。「だ・か・らぁ~、薬を飲んだんだからそれでいいじゃないですか」と冷たい言葉が喉元まで出てきそうになる。が、それをおさえて黙っていると、「お母さんのところに電話するね」と深刻そうな表情でわたしの返事を待たずにわたしの母のケータイへと電話をした祖母だった。
 母と祖母。あまり関係がよろしくない。だから、母は祖母からの電話に取り合わないのではないか、という懸念がわたしには予想された。また一触即発? になるのかもしれない。ヒヤヒヤする。ハラハラする。
 けれども、わたしのそうした野暮な予測とは裏腹に母は信じられない行動を取った。いや、取ってくれたのだ。何と祖母の代わりに病院へと状態を電話して、さらにそれ次第では今から一緒に病院へと付いてきてくれるらしいのだ。祖母は感動した。猛烈に感動していた。断裂して終わった前回のやり取りを思い出すだけに、まさに今日、奇跡が起こっていたのである。
 そういうわけでしばらくしたら母がタクシーに乗って祖母を迎えに来た。これから一緒に病院へと向かってくれるのだ。以前、母が祖母の病院の付き添いをしていた時に医者から「高熱が出て食欲がなくなったら入院になりますからね」と言われていたので、もう入院になっても大丈夫なように母はあらかじめ祖母が準備していた旅行用バッグを手に持って二人で家を出た。
 で、肝心の星さんは? いやはや恥ずかしながらお留守番なのだ。なぜか? これには深~い、深~い理由がある。わたしも以前2回ほど祖母の病院に付き添ったのだが、あれは2回目の時だった。待ち時間と輸血で3~4時間くらいかかったのだが、付き添っていたらおそらくストレスからだろう。猛烈に死にたくなってきたのだ。わたしは統合失調症だから、もうすでにおかしいところもあるのだが、叫んで高い場所から飛び降りたくなるほど危険な精神状態になったのだった。まさに発狂しそうになったのだ。これはヤバイでしょう、ってなわけで星さんは病院付き添い免除になったのだ。いや、むしろ自衛のために自粛していると言ったほうがいいかもしれない。自分の命を守るためには祖母の付き添いはしない方がいいのだ。だから、わたしは祖母に少々脅しのような次のことを言った。「わたしが死んでもいいんですか?」と。さすがにこれに対して祖母はそれでも来てほしいとは言わなかった。まぁ、それもそうだよな。
 それで今、夜の8時頃になるのだが、母からの連絡待ちなのだ。わたしは母に「終わったら電話して」と出際に頼んでおいたので、もう少ししたら電話がかかってくるだろう。でも、それにしても落ち着かない。
 と言いながらも、こんな状況下でありながらヘブライ語の勉強をしているくらいだから、ちゃっかり者の星さんである。わたしが「心配だ。心配だ」と家の中をうろうろ歩き回っていても事態は何ら変わらない。わたしにできることは祈ることくらいだ。ってなことをTwitterにも書いたので重複しておりますが、ご容赦を。だいたい同じ人間なんだから、同じネタを使い回しもするものですよ。そこまでこだわっていたら身が持たない。
 さて、猫のルルと彼らの無事の帰宅を待ちわびている星なのだが、(いや、それ以前に母からの電話待ち)一人だと何か外の車の音とかバイクの音とかすごい気になる。めっちゃ気になる。(←どこの地方の人?)何やかんや文句を言いながらも祖母が家にいてくれていることは有り難いことだったのかもしれないと祖母不在になって気が付いたのだ。いつもいる人がいないってのは妙に寂しいものですな。
 とにかく祖母に大事がないことを祈ろう。それくらいしか今のわたしにできることはない。久しぶりにクリスチャンらしいこと考えたような気がする。
 そして、この文章を読んでくださっているあなたもわたしの祖母のために祈ってください。みこころならば聞き入れられることでしょう。
 祖母のしょうもなさ加減にはいつも閉口させられているけれど、それでも心温まる交流も少ないながらもたしかにあった。家族は時には大変な時もある。でも、それでも家族は家族なんだと痛感する。それを今日の母の行動からなおのこと感じさせられた。
 これから祖母がどうなっていくのかは分からない。けれど、長く生きられないことは確かなことだ。だから、もし入院にならず家に帰ってこれたなら少しでも安らかな毎日を送らせてあげたい。あるいは、入院になったとしたらわたしにできる範囲のことでできることはやってあげたい。
 まさにラストスパートだ。そして、祖母の人生の総決算だ。と言いつつもうざく感じて敬遠してしまうこともあるだろう。それでも、それでもめげずにやっていけたらと思う。
 「祖母が家に帰ってこられるといいな。」これが今のわたしのささやかな希望だ。

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