影響力

いろいろエッセイ
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 わたしには夢がある。それは影響力のある人間になることだ。そして、わたしの言葉で人々の幸福に少しでもいいから寄与したい。そんな思いがあり、野望がある。
 と大層なことを書きながらも、現在のわたしの影響力は微々たるものでしかない。まぁ、ぼちぼちやっているけれども、バズるとか炎上するとか、そんな言葉は遠い未来の話のように思っているくらい、それくらいわたしの発信力はない。影響力はない。わたしがこの場で仮に問題発言をしても、叩かれるほどの影響力のある人物ではないから、多くて2~3くらいの苦情コメントが寄せられて終わるだけだろう。
 なぜ、わたしのブログは注目を集めないのだろう。自分では結構いいことを書けていると思っているのだけれど、一向にこのブログは栄えない。盛り上がらない。
「なぜか?」と考えてみるとおそらくわたしに肩書きがないからだろう。わたしがもしも東大生になることができて、「クリスチャン東大生星大地のブログ」と銘打つようになったら、アクセス数が増えるのだろうか。書いていることが今まで通りだったとしても。
 人は肩書きの力に弱い。このことはつくづく思う。キリスト教界隈で言うなら、牧師とか神父というだけでそんなにいい記事書けているわけでもないのに、アクセス数が集中する。牧師とか神父はキリスト教の専門家だ。けれど、必ずしも100%真っ当な主張をしているとは限らない。なかには問題あることを主張している人もいる。もしくは95%くらいは正しいことを言っているけれども、残りの5%で決定的に間違ったことを言っているという場合もある。
 わたしはプロテスタントの教会に通う人間だから、牧師の権威というものを認める。牧師は三位一体の神から牧師をやるように召命を受けていて、そして牧師になっている。そう信じている。でも、牧師だって人間だし、完璧な存在ではないからその人の思想に完全に同意することができないこともわたしにはある。基本線は合っている。けれど、細かな牧師に委ねられている自由な部分において共感できないことがあるのだ。それは別におかしなことでも何でもないと思う。牧師に思想の自由があるのと同時にわたしにもその自由はあるからだ。
 わたしに必要なもの。それは文章のクオリティーを今以上に向上させること。でも、それは一朝一夕でできることではない。ぼちぼち取り組んでいくことだ。では、その他には? やはり、わたしの文章に箔を付けることだろう。何かのエッセイコンテストで賞を取るとか、小説で新人賞をとるとか。そうしないと多くの人はわたしの文章を読んでくれない。まずもってして、星大地? 誰? どうせ三流の人物だからろくなこと書いてないだろう、で終わってしまうのではないかと思うのだ。
 箔を付ける。なかなかこれは難しいことだけれど、わたしの文章をもっと多くの人たちに読んでもらえるようにするためにも、意識して賞などを狙っていきたい。
 わたしの文章を多くの人に読んでもらいたい。そんな思いばかりが先走っている。
 でも、考えてみる。一旦立ち止まって考えてみる。たしかにたくさんの人に文章を読んでもらえて、多くの人から賞賛の声を浴び、富と名声を手に入れる。そのことに憧れてしまうわたしなのだが、果たしてそれで本当にいいのだろうか。
 原点に立ち戻る。わたしは多くの人からちやほやされるために、されたいがために文章を書いているのではない。このわたしの文章を読んでくれている読者のために、言うならば一人の読者のために書きたいのである。急に今までの名声指向の星さんとは打って変わった論調になって驚かれているかもしれない。でも、わたしはそう思うのだ。たった一人でもいい。一人でもいいから、わたしの文章を読んで何か心が動いた、言うなれば感動してくれた人がいればそれでわたしは満足なのだ。そして、わたしの文章によっていい意味で人生が変わった。そんな出来事が起こったら最高なのである。
 アクセス数? 収益? 名声? それらはたしかに捨て難い。捨て難いものがある。けれど、それらを第一にしてしまっては本末転倒なのである。
 わたしの言葉を届けたい。そして、誰かを一人でもいいからほっとさせたい。安心させたい。勇気づけたい。幸せな気分になってほしい。
 あやうくわたしは原点を見失うところだった。一番大切なものは影響力の大きさ云々ではないのだ。ただ、わたしの言葉が読者に届くかどうか。一人の読者の心に届くかどうか。そこなのである。それをないがしろにして、アクセス数を増やしたい。バズりたい。有名になりたい。お金がたくさんほしい。というのはどうかと思うのである。星さん、いいこと、いいところに気がつきましたよ、てな感じで、わたしは自分に感心しているところなのだ。
 影響力は小さいよりも大きい方がいいことは認めざるをえないけれども、それを第一にしてしまうのは間違っているんだ。倒錯していて歪んでいるんだ。このことに気が付いていない作家ってもしかしたら結構いるんじゃないか。そして、売れること、名前を知られることばかりを考えている。
 大事だけれど、第一にしてはならない。それが影響力なのである。と言いつつもぼちぼち有名になりたいと思う矛盾した星なのであった。(オイ、今までのいい話は何だったんだよ?)

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