ある有名人が自分と一緒にお寿司を食べる権利を100万円くらいで売っているらしい。また、昔、テレビ番組の企画として某有名アイドルグループが一人のファンのためだけに一曲を150万円くらいで歌ったりもしていた(もちろんそのファンの人が支払う)。
こういう話を聞くとイラっとしてしまう。まさに金の権化ではないかと思ってしまうのだ。
わたしも一時期、人気者になりたいと思っていたことがあった。少し種類は違うのだけれど、作家などの文化人になって尊敬され喝采を受けたかった。平凡な一人の青年が抱く夢としてはよくある話だ。
平凡であることは苦しい。何かをやってもほとんど注目してもらえないからだ。そして、自分よりも成功している人を見てはため息が出る。
でも、ある本を読んでいて、成功している人にはまた違った苦しさがあることを知った。人気があればあるほど、多くの人から尊敬されていればいるほど、迂闊なことが言えなくなるし、行動も制限される。要するに収入源である自分の支持者、賛同者の顔色を常に伺うようになるわけだ。少しでもその作り上げられたイメージに反する言動を取れば、批判されて叩かれる。一見、お金や地位や名誉を得ていて自由を謳歌しているようだけれど、これはある意味奴隷だ。自分の商品の購買者の機嫌を損ねることは没落を意味する。
そう考えると、平凡な自分も満更悪くないように思えてくる。人生はどう転がっても苦であって、完璧で欠点のない人生なんてない。平凡も非凡もただそれだけのこと。
1983年生まれのエッセイスト。
【属性一覧】男/統合失調症/精神障害者/自称デジタル精神障害/吃音/無職/職歴なし/独身/離婚歴なし/高卒/元優等生/元落ちこぼれ/灰色の高校,大学時代/大学中退/クリスチャン/ヨギー/元ヴィーガン/自称HSP/英検3級/自殺未遂歴あり/両親が離婚/自称AC/ヨガ男子/料理男子/ポルノ依存症/
いろいろありました。でも、今、生きてます。まずはそのことを良しとして、さらなるステップアップを、と目指していろいろやっていたら、上も下もすごいもすごくないもないらしいってことが分かってきて、どうしたもんかねえ。困りましたねえ、てな感じです。もしかして悟りから一番遠いように見える我が家の猫のルルさんが実は悟っていたのでは、というのが真実なのかもです。
わたしは人知れず咲く名もない一輪の花です。その花とあなたは出会い、今、こうして眺めてくださっています。それだけで、それだけでいいです。たとえ今日が最初で最後になっても。