わたしがよく行く森の公園へ元旦ということで初日の出を見に行った。
行ってみると、既に何人かの人たちがいて日が出るのを待っていた。意外だったのは、日の出が6時55分ということだったのだけれど、あたりはもう明るくなっていて真っ暗というわけではないことだった。もっと暗いと思っていた。意外と明るいのだ。お日様がまだ出ていなくても。
実は、わたしは今まで40年の人生の中で、日の出というものを見たことがなかった。だから、そういう意味でも初めての初日の出だった。つまり、初初日の出。
そんなわけで日の出の15分前くらいにはスタンバイしていた。すると、日の出の時間が近くなるにつれて、ゾロゾロと人がやってくるではないか。いつもは閑散としていて数人しか人がいない公園も今日は人が多めで2、30人はいたかと思う。それだけみんな期待の見たい見たい初日の出だったのだ。
6時55分。本来だったらもうこの時刻に太陽が出ていてもおかしくない。でも、この日は雲があって、その雲に隠れて太陽がなかなか見えない。焦らされている。そんな感じさえした。が、だいたい日の出の時刻の6、7分前から朝焼けというかオレンジ色に雲が染まり始めた。そして、それからだんだんその光の度合いが強くなって輝きが増してくる。
そんなこんなで日の出時刻の55分から5、6分は過ぎただろうか。ようやく太陽がお目見えした。丸い燦然と輝く太陽。後ろのおじさんが手をパン、パンと二回叩いた。まるで神社に参拝して御神体にやるかのような感じだった。そして、隣の高校生くらいの男の子は、その初日の出を見ながら「願いがかないますように。健康でいられますように……」と次から次に小さめの声でお願いを立て続けにしている。人間の持つ宗教心というか、大いなる存在に対しての畏敬や畏怖のような、そんなありがたや、ありがたやな空気があたり一面に漂っていた。わたしは特にお願いもせずにただ何も考えずにぼーっと見ていただけだったけれど、それでも何か幸せな感情に包まれていた。
が、そんな神聖な空気が漂ったのも束の間のことで、初日の出を見ると多くの人はもうお日様には見向きもせずにどんどん帰っていってしまう。まぁ、初日の出を見るために来ているのだから、見終わったら帰るというのは何も不思議なことではなくて当たり前のことだ。でも、そのみんなからもう見向けもされなくなって、有り難がられなくなった太陽をわたしはしばらくじっと見ていた。本来というか、1年で最初の日の出、初日の出かどうかということに関わりなく太陽というものは有り難いものではないか。そんなことを思った。わたしたちはお日様の光がないと生きていけないのに、そのことに普段感謝なんて何もしないで生きている。
当たり前。当たり前のことが一番有り難い。お日様が今日もボイコットしないでいつものように昇ってくれた。当たり前過ぎて誰もこんなことに感謝なんてしない。でも、お日様あってこその命だと言っても言い過ぎではない。だから、お日様、そして、水と空気と大地。この当たり前のものほど有り難いものはない。なかったら人間を含めて生き物が生きていくことができない命のいわば必需品。お日様を含めて、水にも空気にも大地にも普段わたしたちは無頓着で、そんなものタダなんだら稀少でもありがたくも何にもない。そんなことさえ言葉にしないものの思ってしまっている。でも、今こそ、今こそ、お日様を含めてこの当たり前にある、あってくれるものたちに対して感謝した方がいいのではないだろうか。当たり前のことほど尊いものってないんだよ、本当。もしもお日様が昇らなくなって、水と空気が汚染されて、大地も荒廃してしまって使い物にならなくなったらどうするわけなのさ? どんなに何億円、いや何十兆円積んだってもうそこから生きていくことはおそらくできない。みんな死んでしまって人類はおろか地球上の生き物たちは絶滅の危機へと陥ることになる。
そういう意味でヨガの太陽礼拝というのは核心をついている。太陽に感謝する。1日の始まりに太陽ならびにその神様に感謝する。何て理にかなっている感謝なのだろうと思う。インドの人たちというのは太陽がなければ自分たちが生きていけないことを自然と向き合う中でしっかりと分かっていたんじゃないか。そんな気がする。キリスト教的には太陽を礼拝するとかダメだけれど、それでもそのなくてはならない太陽を創ってくださった神様に感謝をするということで、どちらにしても感謝をすることに変わりはない。
いつも何気なく見ている太陽だけれど、何だか今日の太陽はいつもよりもきれいだと思った(初日の出効果?)。写真も撮りましたよ。結構いい感じに撮れた。パチパチ~(拍手)。
当たり前のことを当たり前だと思わずに感謝できる人でいたい。そんなことを思った初めての初日の出。初初日の出を堪能したところで今年がスタート。いい年でありますように。そして、皆様にとっても幸ある1年となりますように。神様、わたしたちをお守りくださいませ。
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1983年生まれのエッセイスト。
【属性一覧】男/統合失調症/精神障害者/自称デジタル精神障害/吃音/無職/職歴なし/独身/離婚歴なし/高卒/元優等生/元落ちこぼれ/灰色の高校,大学時代/大学中退/クリスチャン/ヨギー/元ヴィーガン/自称HSP/英検3級/自殺未遂歴あり/両親が離婚/自称AC/ヨガ男子/料理男子/元ポルノ依存症/
いろいろありました。でも、今、生きてます。まずはそのことを良しとして、さらなるステップアップを、と目指していろいろやっていたら、上も下もすごいもすごくないもないらしいってことが分かってきて、どうしたもんかねえ。困りましたねえ、てな感じです。もしかして悟りから一番遠いように見える我が家の猫のルルさんが実は悟っていたのでは、というのが真実なのかもです。
わたしは人知れず咲く名もない一輪の花です。その花とあなたは出会い、今、こうして眺めてくださっています。それだけで、それだけでいいです。たとえ今日が最初で最後になっても。