国民的ゲーム。と言ったら何を思い浮かべられるだろうか? 多くの人が任天堂のマリオを思い浮かべたことだろうと思う。けれど、今回の話はマリオではない。マリオまで行かないにしても双璧に近いようなゲームがある。
もうお分かりだろう。ドラクエである。ドラクエというのは略称で、正式には「ドラゴンクエスト」である。
このテレビゲームをやられたことのない方はドラクエと言われても何のことか、おそらく分からないことだろう。では、簡単に説明。ドラクエとはRPG、つまりロールプレイングゲームで、モンスターを倒しながら経験値を得て、主人公たちが成長していき、それと同時に数々のイベントを世界中で体験していく。世界中を旅するのだ。まさに、冒険で、批判的に言うなら「おつかい」とも言える。そのスケールの大きなおつかいをしながら、世界を最終的には主人公たちが救うのである。
わたしが初めてであり、唯一プレイしたのがドラクエ6。それもサブタイトルが「幻の大地」。これは買いたいと思ったわたしはたしか貯金してあったお年玉でこのゲームを買ったんだったな。
で、前置きが長くなってしまったけれど、このドラクエで印象に残っていることがあるのだ。それは仲間にしたスライムのことである。
スライム。ドラクエで一番有名なモンスターである。青い体をしていて、目が二つあって、やわらかそうで、ぷにぷにしていそうな感じのやつで、頭は上のほうがちょろんとなっている。
ドラクエ6では、スライムを仲間にすることができて、わたしもそうしてみたのだ。が、もちろん即戦力になるような強さはどこにもない。仲間にした時点ではたしかHP(ヒットポイント。体力のことで0になると死ぬ)が8しかなかった。使えるかどうかと言えば、まったく使えない。主人公たちに代わりに戦ってもらって、ただ馬車の中でおとなしく経験値をもらっているだけ。そんな調子なので、戦力になる日が来るのはいつのことやら、といった感じでスライムとの日々が始まったのだ。
このスライム、名前がスライムなだけにスラリンなんだけど、レベルが少しずつ上がっていった。レベルが10、20、30と牛歩ではあるが上がっていくに従って、あの8しかなかったHPもだんだん上がっていき、まだ戦力にはならないけれど、それでも強くなってきた。また、職業もいろいろ経験させて、いろいろな呪文や特技も覚えさえた。
だんだん使える存在になってきた。戦闘にも参加させることが増えてきて、今となってはもうなくてはならない仲間だ。
で、スラリンがレベル60、か70くらいになって、ラスボス(ドラクエの最後の一番強いボス。ラストボスを略してラスボス)を倒しに行こうとなったんだ。
そして、ラスボス戦。スラリンは言うまでもなく大活躍したんだ。吹雪系の特技の中で最強の「かがやくいき」を吐きまくり、隙あらばギガスラッシュ(職業の勇者で覚える最強の剣の技。すごく与えるダメージが大きい)。仲間のHPがピンチになれば当たり前のように回復呪文でフォローするし、職業はほとんどすべて極めていたから、細かな特技や呪文がほいさ、ほいさと当たり前のようにできるんだ。
わたしはその時、感極まるものがあった。あのHP8だったスラリンが、あの弱小のスライムが今では最強のラスボス相手に主人公たちと一緒に戦っているのだ。「スラリン、お前、本当によく成長したよ。すげーよ」と言葉をかけてあげたい気分になっていた。
そして、最後に、スラリンのギガスラッシュが炸裂してラスボスを倒した、と言いたいところだけれど、そこまでうまくはいかなくて、あれはたしか主人公のギガスラッシュでラスボスの息の根を止めたのだった、と思う。もちろん、スラリンはその倒した瞬間にも健在で立派に戦ってくれていたということを付け加えておきたい。
同じように、わたしも成長している。考えてみれば、赤ちゃんのころと今のわたしを比べてみれば、スラリンが成長したのと同じくらい成長しているのではないだろうか。赤ちゃんの時、わたしは何もできなかった。ただ、母親とか家族とか大人たちの庇護を受けて生きていた。生きながらえていた。でも、今のわたしを見てみれば、ラスボスを倒せるまでには成長していないとしても、一人でごみ出しもできるし、オムレツだって焼けるし、文字も読めるし、勉強もできるし、スラリンが主人公たちを助けたように、わたしは誰かを助けることができる。わたしがスラリンにかけたくなった言葉のように、「お前、本当によく成長したよ。すげーよ」なのである。
これはわたしに限った話ではない。みんな、成長しているんだ。中にはレベルの上がり方がゆっくりな人もいて、1つレベルが上がるのに人一倍時間がかかる人もいる。でも、たとえ1ミリであっても、人間というものは遠くへ進んでいるのだと思う。経験値を積んでいって、着実に着実にみんな成長しているんだと思う。だから、その成長をお互いに喜び合えたらいいなって思う。
わたしもスラリンのように「かがやくいき」を吐き、ギガスラッシュを炸裂させることがいつかはできるようになる、なんてことはないけど、そんなに劇的なものは求めずに、ぼちぼち、ぼちぼち一歩ずつ成長していけたらいいなって思う。でも、いつかは、かがやくいきとギガスラッシュを!!(それは無理だってば)


変な人。
普通ではないと思う。
わたしが思っていることを言うとみんなひく。
そして、目の前にシャッターを下ろされて、
まさに閉店ガラガラ~。
わたしは気が付くと蚊帳の外。
なぜなら、今、大人気の
カヤノソトボーイズの2期生の瞑想担当だから。
最近、瞑想してないけど。でも、瞑想担当なんで。
そう、なんか浮いてるの。
この世界、日本という社会から。
わたしは何だかんだ生きづらい人生を送ってきた。
「もっと苦しくてつらい人はいっぱいいる。
お前のは大したことないだろ」、と言うやついるけれど、
苦しさ、大変さ、生きづらさはその人が感じていること。
その人の苦しさを分かっているのはその人だけ。
気が付いたら職歴ゼロ、社会経験ゼロの立派なメンヘラのおじさん。
わたしはしゃべんないほうがいいと思う。
しゃべるとその見た目にあまりにもギャップがありすぎるから。
わたしが自分のことを語れば語るほど、
女の人はがっかりします。失望さえします。
でも、いいじゃないの。
普通じゃないのがわたしなんだから。
わたしは風になりたい。
風になってただ吹いていたい。
【属性】
男。大学中退。吃音。統合失調症。精神障害者。希死念慮あり。現実感の喪失。無職。プロテスタントのクリスチャン。ヨギー。スターシード。英検3級。茶髪。HSPとASDの可能性あり。細身筋肉質。
