仮想現実

 今はもう夜の7時。もう? そうなのだ。もう7時なのだ。もうあと1時間か2時間くらいすると就寝時刻になる。本当は執筆は早めにやっておきたかったんだけれど、何だかんだでできなくて、こんな夜遅くになってしまっている。夜遅くというのが7時というのが可愛げがあっていいのではないかと思う。そんなわけで、夜の9時頃に電話をよこされるともう寝ようと思ってたのに~、という感じなので、結構迷惑だったりする。オールナイト? 夜明けのコーヒー飲みませんか?、とは一切無縁な規則正しい生活を真面目に送っている星さんだが、さて今日は何について書こうか。
 そうだな、仮想現実について書こう。とは言うもののわたしは仮想現実(バーチャル)についてほとんど専門的な知識がない。いわば聞きかじった程度。そんなんで記事を書こうなんて百万年早い!!、と怒りをあらわにされる方もいることだろう。ただ、百万年どころか千年だって人間は生きられませんぜ、ダンナ。ということを付け加えたところで仮想現実について思うところを書いていこうと思う。
 わたしが個人的に危惧していること。それは仮想現実の技術が向上していくと、現実との区別が付かなくなってしまって、ついには現実ではなくて、仮想現実の方を選んでしまうのではないかということだ。これは言うまでもないことで、現実に生きる必要がそもそもなくなってしまうのだ。
 仮に危険な話ではあるが、自分が好きで好きで仕方のないアイドルと仮想現実で一緒に過ごすことができるとしよう。この時には技術がどこまでも進歩していて、この仮想のアイドルと現実の空間におけるアイドルとの違いはほとんどない。ただそれが実在する本人そのものでないだけで、それ以外はすべて本物と何ら変わりがない。しかも、この仮想現実のアイドルは自分を溺愛してくれるのだ。こんなに好きだったアイドルが自分とイチャイチャしてくれる。しかも五感はリアルそのもの。すべてがほぼ本物。
 わたしが思うに、こうした欲望はまっさきにアダルトコンテンツとして商用化される。絶世の美女が現実と何ら変わりなく、心ゆくまで楽しませてくれるのだ。
 こうなったらどうして現実を生きなければならないのか、という根本的な疑問が浮かび上がってくることだろう。なぜ、苦しいだけの面白くもない現実世界を生きていかなければならないのか、と。現実世界では自分にはお金もないし、学歴もないし、社会的地位も名誉もないし、女性にはもてなくて馬鹿にされる始末だし、生きていても何も面白いことや楽しいことがない。かと言って自らの命を絶つこともできない。こういう人にこうしたサービスが紹介されれば絶対に飛びつくことだろう。「これはいい!」と救われた気持になること請け合い。
 現代でも現実逃避をしている人たちがいる。別にそれが悪いとか何だとか批判するつもりはない。わたしだって高校生の頃、恋愛シミュレーションゲームに現実逃避していた口だから人のことをとやかく言うことができないのである。
 現実は面白いよ、と彼らの心を開こうとしてもそれはなかなか難しいことで、一筋縄ではいかない。けれど、生身の女の子と付き合った方が断然楽しいよ、と説教をする人だっているくらいだろう。
 それが完璧な現実と何も変わらない仮想現実が到来してしまったら、この生身の女の子の方がいい、という理屈は通用しなくなる。だって、もう仮想現実で生身の女の子とイチャつくことができるのだから。それに完璧な仮想現実では、そこに登場する女の子はユーザーの嫌がるようなこと、幻滅するようなことは一切しないし、まるでベテランの心理カウンセラー真っ青の神対応を当たり前のようにしてくれるのだ。その女の子には人間関係を送る上での膨大なマニュアルが組み込まれていて、とにかく完璧なのである。こうなると夢の国の○ィズニーランドでさえも足下には及ばないことは言うまでもないことだろう。
 が、そこで満足してその世界に安住してしまうのだろうか。もちろん一定数は安住してしまうことだろう。しかし、そうしたまるで竜宮城のような夢の国にいるかどうか。そのことを選ばなければならない時代がいずれはやってくるのではないかとわたしは思うのだ。
 果たしてわたしはそうした仮想現実が完成したら、その世界の住人でい続けたいと思うのだろうか。分からない。まだそうしたものはできていないのだから。
 おそらくその電脳世界では自分もまわりの人たちも歳を取らない。永遠の自分がありたい理想の姿のままでそこに住み続ける。まさに永遠の命。が、ある時、その電脳世界が何者かによって破壊されてしまう。そのコンピュータの電源が何者かによって破壊されたのだ。……こんな話を長編小説にでも書いたら面白いだろうとは思うのだけれど、この世に永遠というものはない。どんな機械だっていつかは壊れるから、どんなにメンテナンスをして細心の注意を払ってもいつかはだめになる。
 人間はいつかは死ぬ。だからこそ、天国には意義がある。この世が天国になっちゃったら天国なんてかすんじゃうじゃん。ほとんど意味がないじゃないですか。
 わたしはもしもこの記事で書いたような仮想現実ができたとしても断固としてこれを拒否したい。わたしが長年好きなアイドルと電脳空間で楽しく暮らせるとしてもそんなのごめんだ。そんな騙され続けるような幻のような世界でどんなに幸せになっても意味がない。わたしにはこの現実世界がちゃんとあって、そしてそれが終わったら天国という場所がしっかりと用意されている。だから、そんな感じでしっかりと線を引けるはずだ。(と思う。って心許ないな。)この現実世界がたとえどんなにつまらなくても、面白くなくても、いやいや、苦しい場所だったとしてもそれはそれで意味があるんだ。わたしは現実をしっかりと生きたい。どんなに安楽なつくりものの世界があったとしてもこれを受け入れたくはないのだ。たとえそれがその時代の多数派でなかったとしても、頭の固い頑固じいさんだと言われてもわたしはこのあり方を貫きたい。
 と真面目なことを考えているこの現実が実は、仮想現実だった!、なんてことがないようにと神様に祈る星なのであった。(最後にそんなオチ?)

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