いろいろエッセイ
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 だんだん暖かくなってきた。もう3月も中旬なのだから、当たり前と言えば当たり前なのかもしれない。
 今朝、朝食を摂ろうと母と台所へ向かったら、母が何やら驚いた感じでこう言うのだ。「ハエがいる。」見てみるとコバエが、1、2、3匹といて、まるで彼らが春の訪れをわたしたちに知らせてくれているような、そんな感じがした。
 冬の間はハエはいなかった。今日が今年になってはじめて家の中でハエを確認した日なのである。
 ハエというと、何かとまるで厄介者であるかのように邪険に扱われがちだけれど、わたしは何だか彼らの出現が嬉しかった。もちろん、彼らが大増殖して2、3匹などではなく、20匹、30匹になってしまったら、家の中がハエだらけになってしまうので、そこまで歓迎しているわけではないけれど。
 ハエが出てきて春を感じる。何だか情緒豊かで味わいがあるじゃないですか。これも心にゆとりがあるからこそだな、と思う。心が荒れていたら飛んでいるハエに殺虫剤でも大量噴射して殺すことしか考えられないことだろう。
 それから、星さん家恒例の春のモンシロチョウ祭りはあと10日ほどで開幕しそうだ。もしかしたら、もう少ししてからになるかもしれないけれど、少なくとも4月には始まるだろうと思う。今年もモンシロチョウ来てくれるのかな? いつ来てくれてもいいように、もう既にキャベツは万全の態勢に整っております。
 この春という季節、わたしはすごく好きだな。前から春と秋は過ごしやすいから好きだったけれど、自分がモンシロチョウを育てるようになってからというもの、がぜん春が好きになった。プランターに植えてあるキャベツにちょうちょがひらひら卵を産みにやってくる姿は何回見てもいい。まさに春の風物詩。春にこの光景を見ずして春を語れるのか、と豪語したくなるくらい素晴らしい。○マザキの春のパン祭りもいいけれど、わたしとしてはモンシロチョウ祭りの方が好き。(自分で勝手にパン祭りからパクっておきながら、本家よりこっちの方がいいとか星さんたら調子いいんだから♪)
 さらに、春と言えば桜だろう。というわけで只今、星さんは桜の本を読んでおります。近田文弘『桜の樹木学』っていう本を読んでいるのだけれど、この本すごいの。何がすごいかって言うと、まだ最初の方しか読んでないので、そこまでの感想しか言えないけれども、すごく学術的な本なんだ。これを1冊読み終える頃にはもう桜博士だな、っていうくらいの情報量で、正直マニアックで専門的すぎてついていくのがわたしはいっぱいいっぱいだ。でも、すごくためになって、桜のことを知りたい人にはおすすめだな。この本、読んでたら今まで自分は桜についてなーんにも知らなかったなと反省させられたよ。
 ちなみに毎年桜を見ると、わたしは高校の入学式のことを思い出す。あの時は、希望に胸をふくらませていたな。不安なんて何もなくて、わたしの前には前途洋々たる広い広い世界が広がっていた。それがいつしか暗いやりきれない気持ちへと変わっていってしまったのはとても残念だけれど、あの入学式の日、桜はまさに満開だった。まるでわたしの新しい出発を祝福してくれているような、そんな淡いピンクの花びらだったな。
 で、いい話に水を差すようで恐縮なのだけれど、かたつむり飼いたい。いきなり、何? かたつむりって……? 唐突すぎません? たしかに唐突かもしれない。何でここで急にかたつむりなんだっていうのが自然なリアクションだと思う。でも、春だからこそかたつむりを飼い始めたいな、って。
 星さ~ん、前後の文章の流れに無理がありますぜ。強引につなげようとしてるでしょ? ばれた? いやぁ、ばれちゃ仕方ないね。このつなげ方はたしかに無理があるよ。じゃあ、こうつなげたらいい?

 春。桜の花が満開である。と、その桜の木の幹にかたつむりが一匹。それはゆっくり、ゆっくりと歩みを進めていた。桜の花びらがはらりとかたつむりの殻の上に舞い落ちる。かたつむりも春を喜んでいるのだ。春とかたつむり。この最高の組み合わせの前にもはや敵うものなどいるはずがない。

 っっって、それこそ無理がありません? 桜とかたつむりの組み合わせって普通言わないよね? 普通、あじさいとかたつむりじゃない?
 いーや、桜とかたつむりで決まりだ。これ以上の組み合わせはない。あじさいとかたつむりってありきたりで面白くも何ともないから。
 ともかく、(じゃあ、この直前の説明は何だったんだよ。)わたしはかたつむりを飼いたいのだ。スローを象徴する生き物であり、スローフード協会のシンボルともなっているかたつむり。これは飼わずにはいられない!(直前の説明にはほとんど意味がなかったわけね。)
 うーん、じゃあ、この記事のタイトル、「春」から「桜とかたつむり」に変えようかな。その方が内容をよく表している、などと2秒ほど考えたものの、やっぱり「春」にしておこう。(笑)
 春。それは冬が終わり、生命が芽吹いてくる躍動感あふれる季節。そして、進学や仕事などで新しい日々が始まる季節でもある。桜、モンシロチョウ、かたつむり(?)と春と共に彼らが動き出す。冬から春へ。そうしていればまた初夏へと移っていく。
 神様が与えてくださる春をしっかりと満喫し、その恵みを心で味わっていきたいと思う。
 かたつむり飼いたいなぁ。(最後にそれ?)

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