以前のわたしは週末に家族連れの人たちを見かけたり、若いカップルを見たりしては気持ちを騒がせていた。「いいなぁ。うらやましいなぁ」と。でも、最近何だか、そう思わなくなってきた。
心境の変化なのかもしれない。今はどう思うかと言うと、「大変ですね」の一言に尽きる。
世のお父さんたちは一家の大黒柱として平日はフルタイムで懸命に仕事をしている。さらには、奥さんのことと子どものこともしっかりと考えていなければならない。住宅ローンや車のローンに、子どもが大きくなった時に高等教育を受けさせるための安くない費用。うむ、まさに大変ですね、だ。
若いカップルの場合にはそこまで責任はないものの、彼女さんのことを男はいつも考えていなければならなくて、自分の自由な時間とお金はその彼女さんのために投入される。
何かを得るためには何かを失わなければならないというのは真実で、何も失わずに何かを手に入れることなんてできない。
そう考えると今のわたしの生活も満更捨てたものではない。いや、最高に自由で責任らしい責任もないから本当、気ままでいい。
あえて、そこまでして自分から重荷を背負う必要もあるまい。わたしはそこまでして、自分の家庭を築きたいとか、彼女がほしいなどとは思わない。狭い人間関係でやっていられれば、それで良しくらいの気持ちでいる。パートナー、子ども。別にいないならいないで構わない。彼らは彼らで、わたしはわたし。わたしには今のところ、それらは必要ないのだから、「大変ですね」と横目で眺めつつ、わたしはわたしとして生きていくだけ。
1983年生まれのエッセイスト。
【属性一覧】男/統合失調症/精神障害者/自称デジタル精神障害/吃音/無職/職歴なし/独身/離婚歴なし/高卒/元優等生/元落ちこぼれ/灰色の高校,大学時代/大学中退/クリスチャン/ヨギー/元ヴィーガン/自称HSP/英検3級/自殺未遂歴あり/両親が離婚/自称AC/ヨガ男子/料理男子/ポルノ依存症/
いろいろありました。でも、今、生きてます。まずはそのことを良しとして、さらなるステップアップを、と目指していろいろやっていたら、上も下もすごいもすごくないもないらしいってことが分かってきて、どうしたもんかねえ。困りましたねえ、てな感じです。もしかして悟りから一番遠いように見える我が家の猫のルルさんが実は悟っていたのでは、というのが真実なのかもです。
わたしは人知れず咲く名もない一輪の花です。その花とあなたは出会い、今、こうして眺めてくださっています。それだけで、それだけでいいです。たとえ今日が最初で最後になっても。