今回は髙橋弘『ハーバード大学式 命の野菜スープ』。
今はもういない祖母がかなり前にこの著者の野菜スープの本を持っていた。祖母が持っていたのはムック本で、このわたしが今日読み終えた本よりも薄かった。何かの時に祖母はわたしたちにその野菜スープを振る舞ってくれたのだけれど、あまり美味しくなかったような記憶がある。体にいいと言うものの、はっきり言ってまずかった。というのも、その頃のわたしと言えばまだ中学生か高校生で育ち盛り。とにかく味付けの濃いものが好きで、毎日醤油ラーメンを食べていたくらいだからまぁ仕方がないと言えば仕方がないのかもしれない。
そんなわたしももう今年で40。40ともなれば健康が気になる。10代の中学、高校時代のようにはいかないのだ。
そういうわけで著者のことは漠然とではあるけれど知ってはいた。祖母がその本をわたしに見せてくれたから。著者はハーバード大学元准教授で医学博士。そうそうたる肩書きだ。
もう30代も終わりのわたしはその不味いと思った頃と比べて成長しているかと言えばそうでもないようだ。今度はあの頃とは話が変わって、最近スパイスカレーをよく作るようになったんですよ。だから、今日久しぶりにこの野菜スープを食べてみたらあまり美味しくない。刺激が足りないというか、穏やかで優しい味過ぎてしまってどうも物足りない。ニンニクとか唐辛子とかスパイス、そして塩の複雑な刺激に慣れてしまったわたしはどうもしっくり来ない。まぁ、これも仕方がない。最近食べているものが刺激的でスパイシーなものばかりなのだから。
でも毎日がハレではそれはハレではなくなってしまう。ご馳走がご馳走であるためには日頃の食事が質素で慎ましい必要があるのだ。でなかったら美食三昧になってしまうし、それはあまり体にいいとは言えない。そういうわけでスパイスカレーは美味しいのだけれどそれはほどほどにして、たまに食べるくらいにしてこの体にいい野菜スープをメインにして行こうと思い立ったのだ。
この本にのっている野菜スープ、作り方は至って簡単。キャベツ、にんじん、玉ねぎ、かぼちゃを鍋に入れてスープとして煮るだけ。水で煮込むだけ。本には強火で沸騰させてから弱火で20分煮る、とある。たったこれだけ、たったこれだけで、そしてそれを食べるだけでより健康になれる。こんなにお得な話はないんじゃないか、と思う。作るのが簡単でしかも健康効果は抜群だからやってみない方がもったいないし、明らかに損だ。
この野菜スープの存在をわたしに教えてくれた今は天国にいる祖母に感謝したい。中高生の頃からもう20年くらい経ってしまったけれど、このスープを知るきっかけを作ってくれた祖母に感謝、感謝なのだ。
が、これだけ体にいいスープであるのに祖母は生前ほとんどというか、全くこのスープを作っていなかった。生来、飽きっぽい祖母だったから野菜スープはその20年くらい前に作ってからもう彼女にとってのブームは過ぎ去ってしまったようで、祖母が野菜スープを作っているところはそれから見ていない。祖母は祖父に味噌汁とじゃがいもとにんじんと玉ねぎの煮物を延々と飽きもせず作ってあげていた。それを美味しいと言っていた祖父。ってなわけでこの野菜スープは祖母にとっては一過性のブームでしかなかった。けれど、今思うのは祖母がこの野菜スープを作り続けていたらまた人生変わっていたんじゃないかということ。祖父が大腸がんにならずに済んでいたかもしれないし、祖母も血液のがんである悪性リンパ腫になっていなかったかもしれない(祖母は悪性リンパ腫は寛解したのだけれど、それから数年後に今度は白血病になりそしてそれが原因で亡くなった)。
人は食べたものからできている。だから、食事を変えることは人生を変えることでもあるんだ。もちろん、体にいいものしか食べないというのも息が詰まってしまうからほどほに楽しんでもいいとは思う。けれど、その楽しむのがメインになってしまって体に悪いものが主食か何かのようになってしまうとやっぱり健康を害するし、命を縮めてしまうことになる。ちなみに祖母の食事というのは本当に適当でキムチをご飯にかけて終わりという感じだった。そして、砂糖がふんだんに使われている赤いラベルのコカコーラが好きだった。それを知っていたわたしだったけれど、それで満足しているようだったからあえて何も言わなかった。もし、あそこで、あの場面で野菜スープを作ることをすすめていたら今も生きているのかな、とわたしは責任を感じてしまう。でも、その当時のわたしはまだ自分でしっかりとこの野菜スープに出会っていなかったから(野菜スープに開眼したのはごく最近なのだ)無理もないと言えば無理もない。
と、ここまでぐだぐだ野菜スープにまつわる思い出などを書いてきたので、本の内容をまとめましょう!!
この野菜スープには次の作用がある。
①抗酸化作用
②デトックス作用
③免疫力をアップする作用
④発がんを抑制する作用
⑤血液をサラサラにする作用
⑥動脈硬化を予防する作用
⑦肥満や高脂血症を予防する作用
このスープを飲めば若返り効果も得られて生活習慣病を遠ざけることができ、便通も良くなりやせることだってできる。
この7つの作用。なかなかすごいと思う。抗酸化作用は老化するスピードをゆるやかにしてくれるし、血管の健康にも寄与してくれる。人間老いるのは血管からだから、血液をサラサラにして動脈硬化を予防できれば、人生を快適に心地良く軽快に生きていくことができる。そして、体のデトックスにもなって免疫力はアップし、がんにもなりにくくなる。でも、この野菜スープさえ飲んでいれば100%がんにならないかと言えばそうとは言えないのがまぁ仕方がないというか何というか。仕方がないですな。100%がんを予防できる技術を開発できたらそれはノーベル賞もんでしょう。
そして著者は本の終わりの方で「健康長寿の10カ条を掲げている。その10カ条を紹介してこの記事を締めくくるとしよう。
その1 GI値の低い食べ物をとる。
その2 特定の野菜や果物に期待しすぎない。
その3 食べる順番に気をつける。
その4 エンプティカロリーはなるべく避ける。
その5 意識して水をたくさん飲む。
その6 鉄分を過剰に摂取しない。
その7 塩分を控えめにする。
その8 サプリメントではなく野菜や果物をとる。
その9 カルシウムは野菜からとる。
その10 デザイナーフーズを積極的にとる。
「補足」
①GI値が低い食べ物は血糖値の上昇がゆるやか。だから血糖値を急上昇させる食べ物は良くない。
②エンプティカロリーとは清涼飲料水やスイーツのような糖質によるカロリーばかりで栄養がない食品のことをいう。
③デザイナーフーズとはがんの予防効果のある食品のことでアメリカ国立がん研究所が選んだ40種類のもの。
この命の野菜スープ、お試しあれ。

エッセイスト
1983年生まれ。
静岡県某市出身。
週6でヨガの道場へ通い、練習をしているヨギー。
統合失調症と吃音(きつおん)。
教会を去ったプロテスタントのクリスチャン。
放送大学中退。
ヨガと自分で作るスパイスカレーが好き。
茶髪で細めのちょっときつめの女の人がタイプ。
座右の銘は「Practice and all is coming.」「ま、何とかなる」。