最近、近所のお地蔵様の前で手を合わせた時にふと思い出した。そう、祖父母のお墓参りをしていなかったなって。申し訳ないけれど完全に忘れていた。というわけでお墓参りに行くことにした。
スーパーでお花とそれを切るハサミを買って、電車に揺られて、少し歩き、お墓にたどり着いた。
祖父母のお墓は、最近流行りの樹木葬で簡易的な墓石はあるものの、13年経つとそのお墓から合祀されて終わりというスタイルで、代々お墓を守っていく必要はない。祖父母が生前、わたしたちが死んだらこのお金を使ってほしいと用意してくれてあったので、立派ではないけれどお墓に入れてあげることができた。
お墓に行くとそこの管理人が出迎えてくれて「お久しぶりです」と声をかけてくれた。それにしても本当に久しぶりだった。
線香とお花を供えて、静かに目をつぶり、手を合わせると、お墓があったことさえ忘れていたのに、祖父母への感謝の思いが溢れてくる。わたしと管理人以外、誰も人はいなくて、ただただ静かな静寂が流れているその場所で静かな時を持った。
割合長い時間、そこで静かに手を合わせて目をつぶったまま祖父母に感謝していたら、自分自身がすごく浄化されていることを感じた。隣にあるお寺から住職のお経の声がかすかに聞こえていた。
亡くなった人のためにお墓参りをしていたのに、それだけではなくて自分自身のためにもなっている。すごく不思議な力のようなものさえ感じたわたしだった。多分、これが祖父母からのギフト。しっかり生きていきます。見守っていてね。
1983年生まれのエッセイスト。
【属性一覧】男/統合失調症/精神障害者/自称デジタル精神障害/吃音/無職/職歴なし/独身/離婚歴なし/高卒/元優等生/元落ちこぼれ/灰色の高校,大学時代/大学中退/クリスチャン/ヨギー/元ヴィーガン/自称HSP/英検3級/自殺未遂歴あり/両親が離婚/自称AC/ヨガ男子/料理男子/ポルノ依存症/
いろいろありました。でも、今、生きてます。まずはそのことを良しとして、さらなるステップアップを、と目指していろいろやっていたら、上も下もすごいもすごくないもないらしいってことが分かってきて、どうしたもんかねえ。困りましたねえ、てな感じです。もしかして悟りから一番遠いように見える我が家の猫のルルさんが実は悟っていたのでは、というのが真実なのかもです。
わたしは人知れず咲く名もない一輪の花です。その花とあなたは出会い、今、こうして眺めてくださっています。それだけで、それだけでいいです。たとえ今日が最初で最後になっても。