ダメな電機屋さんの話

いろいろエッセイ
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 我が家の台所はいかんせん暑い。上に小さな扇風機が回ってはいる。けれど、冷房はないから暑くて暑くて。そんなこんなで「わたしが全部出すから」と母が言い出し、サーキュレーターを買うことになった。
 となれば、電機屋へGo!! ネットもいいけれど、家電は実際に見て買った方がいいということでお店へ行くことになった。
 店に着き、扇風機などがあるコーナーを見始めたわたしたち親子。しばらく見ていたら店員が頼んでもいないのに話しかけてきた。本当はもう少し自分たちだけで見ていたかった。
 店員の話によると、サーキュレーターは冷房と併用して使う物で、サーキュレーター単体ではあまり涼しくはならないとのこと。それは本当のことなのか? 違うと思った。実際、わたしが通っているヨガの道場ではサーキュレーターを1台使っていて、冷房を使わなくてもそれなりに涼しくなっていたからだ。
 店員はサーキュレーターよりも何ていう家電なのか名称は忘れたけれどお高い4万円とか5万円するやつを買ってほしいようで、それをしきりにすすめてきた。が、わたしが「こんなに高いのは必要ない」ということを言い、それからどのサーキュレーターを買おうかと母と検討し始めたら、その店員は「向こうにおりますので」みたいなことを言って、そそくさといなくなってしまった。家に着いてから母が言うには、電機屋でああいう対応をされたのは初めてとのことで、ドライというか何というか。4、5万円のやつを買う気がないと見るやいなや、自分の方から話しかけたのに、どこかへ行ってしまったわけなのだから。「そんな1万円以下のサーキュレーターを買うかどうかには付き合っていられないよ」と言わんばかりで(言ってはいないけれど)少なくとも優しくはない。
 そんなドライな対応をされながらも、「これがいいんじゃないの」と良さそうなサーキュレーターを選び、最初の店員とは別の人に声を掛けて在庫を確認してもらった。あるとのことでレジへ向かった。また、弟が昔、電機屋に勤めていたことがあって、電機屋では店頭表示価格からさらに値引きしてもらうことができると知っていた母は店員に交渉。お安くしてもらえることになった。
 ここまではまだいい。が、それから災難が続く。スマホにその電機屋のアプリを入れるとさらに値引きをしてもらえるということで、しかも5分くらいで終わるという甘い言葉に乗せられて母のスマホにそのアプリを入れることに。けれど、5分どころか何だかんだで2、30分はかかったかと思う。しかも、そのアプリのダウンロードの通信費はこちら持ちでWi-Fiなどは使わせてくれない。
 まぁ、たしかに時間はかかった。でも、まぁこれは仕方がないことなのだろう。気を取り直して支払い、と。店員が商品のバーコードをスキャンする。1万3千いくらだそうだ。えっ? 何その値段? 店頭に表示されてた値段は8千いくらだったはずでしょ? 「値段がおかしい。高すぎる」とその場でわたしが言うと売場で確認してくると言って、わたしたち親子はぽつんと取り残された。それから7、8分、いや10分くらいは待っただろうか。ようやく店員が戻ってきて間違っていたことが分かった。
 でもね、二人の男女の店員がいたのだけれど、女性の方は「機械がおかしくなっちゃった」みたいなことを言って、自分及び自分たちには責任がなくてレジの機械の責任にしようとしたし(「おたくらの機械でしょう?」)、男性の方は、少々パニクって混乱しているわたしに「お安くなりましたから」としたり顔で言ってなだめようとしてくるわで、全然誠実さが感じられない!! たしかに「申し訳ありませんでした」と二人とも言ってくれてはいたけれど、その謝り方が何か軽いのよ。かる~く謝って全然事態の深刻さを理解していない。そういうのって伝わってくるのです。この人たち全然悪いとか思ってないなって。
 で、店頭価格から売場で値引き交渉をしておいたものだから何と6800円くらいで買えました。っていうか、店員さんよ、こちらも気付かなかったら2倍くらいの値段で売っていたわけで、それはものすごく深刻な話じゃないの? レジの機械にちゃんと正しい値段を登録して入れておくのは何よりも大切なことなんじゃないの? もうこういうことがあると安心してお買い物できないよ。しかも、店員は全然悪いことしたみたいな感じがなくて軽く「すみませんでしたねぇ」という感じだし。機械がおかしくなっただの、安くなったからいいでないの、みたいなのはひどいよ。人としてどうかと思うレベルの話。
 こんなこととこうした対応を都会の東京なんかのお店でやったら大問題に発展するだろうな。いや、静岡でも大問題だけど。たまたまわたしたち親子がいい人たちだったからいいものの、普通怒るしキレるよ。「お前ら何様なんだ。ふざけてるのか」ってなるよ。
 最後に、入場者プレゼントでくじ引きができるということで、抽選会場へ向かったわたしたち。何とわたしが2等を当てました。2等だなんてさぞかしいい物がもらえるだろうと期待したら、トイレットペーパー1個。おいおい、ケチりすぎだろ!! 景品しょぼすぎだろ。
 最後の最後まで踏んだり蹴ったり。けれど、それは仕方がないことなのかもしれない。家に帰ってから母が、弟が昔こう言っていたという話をしてくれた。「電機屋にはまともな人がいない」ってね。分かるような気がする。
 でもね、買ってきたサーキュレーターはすごく良かったですよ。しっかりしていて高性能で。ただ最後に一点。ネットでは同じ物がもっと安く売られているんじゃないかなぁ。調べない方がいいな。何だかそんな予感がしてこわいから。

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