東京小旅行~浅草へストリップを観に行って人生がどうでも良くなったという話~

いろいろエッセイ
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 前回、骨折してから今日でだいたい二週間。やっぱりヨガはわたしにとって薬のような役割をしていたようで、朝の練習ができなくなってからというもの、どうも体調がすぐれない。と言うよりも精神的なほうが。
 せっかく一日フリーなのだからと急に思い立って東京へ行こうということになり、一人東京へと行ってきた。旅行と行っても自分が行きたい所へ行き、やりたいことをやってくるという完全にわたし仕様の旅行で、やりたいことをやってまいりました。何をやりたかったのか、したかったのかと言えば、ズバリ、オムレツを食べることだった。一度ね、日本でもトップレベルのシェフが作るオムレツを食べてみたかった。今までわたしは洋食屋さんへも行ったことがないのに、そういったステップをポーンと抜かして、一気にトップクラスのオムレツということだったので、その感動は凄まじかった。中は本当に半熟で外側がかろうじて焼いてあることによって、薄皮のような感じになっていて形をとどめている。ここまで半熟でいいの?、というくらいの半熟加減にわたしはとても驚かされたのだった。
 が、これは表向きの理由。もちろんこのオムレツも食べてみたかったからやりたいことだったのだけれど、一番の目的は、初めてのストリップを観に行くことだったのでした(笑)。人生初です。「はぁ?」「ストリップ観てきたの?」女性陣の総ブーイングの声が聞こえてきそうだ。でも、良かった。女性陣から非難されようが、どうされようがとにかく良かった。良すぎるくらい良かった。まさに非日常で今までの人生の中で一番楽しかった時だった。あそこまでエキサイティングで感動し興奮したことはなかったと思う。せっかく行くのだからとストリップの聖地、浅草のロック座へ行ってきたことが良かったのだろう。
 何がすごいってあれはもう舞台芸術で高いレベルまで到達していて、観ていて飽きないところがすごかった。でも、一番刺激的だったのがやっぱり踊り子さんの裸を全身くまなく見れたことだった。実際に生の女性の裸を見るのと写真やビデオで見るのとでは臨場感が違う。写真やビデオはニセモノなのだから、本物のインパクトはすごかった。もう踊り子さんたちのあそこもしっかりと拝んできましたよ。バッチリ鑑賞しました。で、もう普通、一晩で9人もの女性の胸とあそこを見るなんてことはできないから、すごく新鮮な体験だった。風俗なんかのお店で9人もの女の子と遊んだらとんでもない金額になるから、かなりの破格だったと思う。
 その9人の中でわたしが猛烈に心動かされたのがYUMEさんという踊り子さんでこれがまたいいんだわ。細身でルックスが整っていてキリっとした感じのすごい美人さんだった。彼女をわたしがいいなぁと思ったことからも、わたしは細身でちょときつめな感じの女性が好きなようだ。公式HPでは黒髪の写真だったけれど、その日の舞台では金髪。それがもうメチャクチャ決まっていて、整った目鼻立ちをより際だたせていて本当に美しかった。そして、そんな彼女が脱いでいって裸になっていく。こ、これは頭がおかしくなるくらい興奮しました。もうダメです。理性が飛んでいました。自分のタイプの女性のストライクど真ん中だったので興奮のレベルが違う。
 彼女を食い入るように見つめるわたし。見つめ方が普通でなかったせいなのか、時折彼女と目が合う。もうわたしの顔は骨抜きにされてふにゃふにゃな表情だったのではないかと。とろける~。
 ここまで彼女のことをほめながらも、他の踊り子さんたちもすごく素晴らしかった。舞台の照明がまた彼女たちを美しく照らしていてきれいできれいで。
 一日に4公演あって、同じ内容を4回繰り返すことになっている。浅草ロック座は入れ替えなしで午後の2時から夜の10時半頃まで見たいだけ見ていることができる。だから、「あの人ずっといるね」という状況も可能だ。わたしはと言うと、ホテルに時間内にチェックインしなければならなかったので1時間ほど外出した以外はすべて見た。つまり、ほぼすべてを見ていたのだった。
 ストリップ開演開始早々、何にびっくりしたかというと、その音楽の音量。大音量で耳にキンキン来るかどうかというくらいガンガンの音楽だった。これは耳栓をした方がいいのではないかと思ったくらいに。さすがに4公演目にもなると耳がおかしくなってきていて、軽い難聴になっていたのかもしれない。
 で、ものすごく濃い、濃すぎる旅行が終わり、家へ戻ると、竜宮城へ行って戻ってきた浦島太郎のような状態になってしまって、もぬけの殻のようになってしまった。ストリップが楽しすぎた。刺激的すぎた。興奮し過ぎた。つまり、素晴らしすぎた。だから、そこからいつもの日常へと戻ってくれば、無味乾燥に近い退屈を覚えるのは必死。我が家には大音量の音楽がかかっていなければ、目が醒めるような照明もない。そして、裸のお姉さんなんてもちろんいない。あぁ、刺激が少なすぎる。もっと刺激がほしいとなってくる。
 さらには東京という場所には、いかにたくさんのお金を持っているかということで、人をジャッジして優劣をつけるところが露骨なほどに表れているせいなのだろう。急に怒りも沸いてくるのだった。
 自分がどうしようもなく価値のない人間に思えてきて苦しくなってきた。わたしはいてもいなくても同じ。それだけの存在なんだ。そう思えば思うほど苦しい。
 そして、少し以前からは、何か現実感覚のようなものが希薄になってきていて、今、目の前にある現実は夢あるいは幻ではないかと疑うようになったのだ。
 何のためにわたしは生きているのだろう? 何のためにヨガをやっているのだろう? すべてが幻だったら一体何のためにやっているのか? むなしいだけではないのか? 頭の中で疑問がぐるぐる回る。
 それだけでもいっぱいっぱいなのに、そこに自分のことを「ダメな男」「クズ男」などとけなして誹謗中傷する思考が次から次へと頭の中に浮かんでくる。ノンストップでひたすら自分をけなし続けていた。
 何をやっても、どれだけやっても、全くやらなくてもすべては同じで等しい価値がある。だとしたらどうして自分を律しようとするのだろう? 無駄な徒労ではないのか?
 そんなこんなでどうも体調が。精神的な面が今一つ冴えない。いつまでもつのだろう? わたしが死んでもほとんど誰も困らないからいいんだけどね。竜宮城が楽しすぎた。浦島太郎も竜宮城の乙姫様のことを思い出していたのだろうか?

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