石をながめながら

いろいろエッセイ
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 わたしの机の上には一個の石がある。今日、ヨガの帰りに海で拾ってきたんだ。
 石を見ていると、何だかこの世の喧噪から別世界へと解き放たれるようだ。
 石の周囲に静かな静かなエネルギーが漂っている。エネルギーというよりも空気が。
 わたしはブログの記事を書いているわけだけれど、今、一生懸命だ。一生懸命に文章を紡いでいる。だから、少しセカセカしている。カリカリまではいかないものの、ちょっぴりセカセカ。そんなわたしをこの石は静かに見守ってくれている。
 この石は石としてどれほど長い時間を過ごしてきたのだろう? それはそれは長い時間だと思う。40歳のわたしを前にしてこの石の年齢はそんなものではない。もっともっと年上。人類が誕生した頃にはもうこの石はこの世界にいたのだろうか? 石のことにあまりにも無知なわたしはそんなとりとめのない想像をする。どこから来たのだろう? いつから石をやっているのだろう? 石になる前は一体、どんな姿だったのか?
 まさに悠久の時の流れを経てきたこの石を前にして、わたしもまだ40歳でありながらもこの石と同じようにわたしの中を悠久の時が流れている。わたしもこの石も宇宙の星くずから出来ているのだから。
 石には静かな説得力がある。ただそこにいるだけで何物も寄せ付けない、流行り廃りなどとは隔絶した存在感がある。
 今、この石は何を思っていて、どんな心持ちでいるのだろう? お釈迦様のような柔和な微笑。そんな穏やかな静けさをわたしは感じる。

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