無人島に1冊だけ本を持っていけるとしたら

キリスト教エッセイ
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 欲深い執着だらけの毎日を送っております星です。などと自己紹介にもならないような言葉を発して、今日は何のお話かというと、無人島に1冊だけ本を持って行けるとしたら、というお話なのだ。
 この質問はなかなか、その人の本性というか本音が見えてくるから面白いよね。どんな本を選んで持って行くかによって、その人の大切していることなんかも丸裸になるし、もう逃げも隠れもできないよ。
 で、星の場合はね。もうパッって浮かんだ。これにしよう、っていうのがパッと浮かんだんだ。だけど、それが2冊なんだよね。最終候補に残ったこの2冊、どっちにしようかと最後まで絶対悩むと思うんだよな。しかもそれが両極端というか、真北と真南くらいかけ離れたものなんだ。でも、人間というものは自分の中に天使と悪魔が住んでいるようなものだから、極端なのも無理はない。結局それかい、って感じで自分でも笑っちゃったよ。本当、笑えるから。でも、笑っちゃだめだよ。あなただってきっと同じようなものなんだからさ。
 さぁ、発表。と思ったけれど、これって発表しちゃっていいのかしら。わたしのイメージダウンにつながることうけあいの星の無人島に持って行きたい本2冊。ま、でも今まで読者の期待を裏切るかのような残念な記事も書いてきた星だから、もうこれ以上はイメージダウンしませんな。大船に乗ったつもりでドーンと行きましょう。
 わたしがどちらを持って行くか迷っている本は、聖書(しかも引照つき)とエロ本なのだ。なーんだ、って思った人多いんじゃないかな。聖くありたい真面目な星さんと男としての本能丸出しの星さんがせめぎ合っておるのです。いやぁ、これって究極の二択じゃない? 本当だったら「聖書に決まっているじゃないですか」とビシッと格好良く決めたいところなのは山々なのだけれど、わたしの中で迷いがどうしても生じてしまうんだ。葛藤が起こるんだ。
 無人島ってことは自分以外の人間がいないってことでしょ。だって無人島なんだから。その孤独の中で最後に寄り頼むもの、それが何かっていう問いなんだよね、つまりは。うーん、聖書ってズバッと即答できない自分が情けな~い。そんでもって恥ずかし~い。いや、でもね、それが人間ってものですよ。聖書かエロ本か最後の最後で決めかねて悩む。それが人間ですよ。
 って言い訳だな。最後の最後でエロ本を選ぶのって神様に対して失礼なのは分かっている。けれど、エロ本選んで、かつ信仰生活続けます、じゃだめなの? おそらくだめでしょう、はい。 
 聖書は神様からのメッセージであり、ラブレターでもあってまさに信仰生活に必須のアイテム。それなのに、エロ本を最後に選ぶ? うーむ。
 無人島に1冊だったらってことだけど、それ2冊にしてもらえません? って結局エロ本持って行くんかーい。もうこれ読んでくださっている方はとっくに呆れていることだろう。星ってそんな奴だったのか、って興ざめしていることだろう。でも、わたしはそんな奴なのだ。でも、好意的に受け止めていただけるのだとしたら、正直な奴だと思っていただけないだろうか。最後の最後で聖書でなくてエロ本を持って行くかもしれない星。でも、そこに人間臭さというか、人間としての生きていることの実感がこもっていないだろうか。ま、これも言い訳ですな。
 ここまで自分のことを書いてきたけれど、あなたは無人島にどの本を1冊持って行かれるのだろうか。アイドルが死ぬほど好きな人だったらそのアイドルの写真集とか、その人が書いた本とかを持って行くだろうし、ともかくそれぞれの人が思いおもいの1冊を持って行くことだろう。
 みんな人それぞれ大切な価値観や信条や信念がある。だから、誰かが周りから見て実にくだらない本を無人島に持ち込もうとしていても、それを優しく容認しなければならない。その、くだらないように見える本がその人にとっては宝物なんだろうからね。
 今回のテーマについて考えて、改めて思ったことは、あぁ、死ぬ時には何も持って行けないなぁということだった。この場合、無人島には1冊本を持って行くことが許されているけれど、天国には何も持参することができないんだなってしみじみと思う。裸で生まれて裸でこの世を去っていくんだ。わたしが生きている間に脳味噌にインプットした情報が天国へ持ち越せるかどうか、それは分からないけれど、それが可能だとしたらわたしの記憶を持って行きたい。自分が死んで天国に思いを馳せる時にはエロ本だの女体だのは脇へ置かれるんだなと厳粛な思いになる。つまり、生きている間は聖書かエロ本か迷うけど、死後にはもうエロ本は必要なくなるようだ。だから、わたしが本当に純粋な気持ちになった時、持って行きたいものは自分の記憶だけなんだ。この結論に到達して、何だかわたしはほっとした。わたしは天国で美女たちと性的な交わりを持ちたいとか思わない。ただ、安らかな安息に包まれて神様を礼拝する生活を送れたらと思っているのだ。その生活はきっと性欲などとは比べ物にならないくらいの充足感、満たされている安らぎそのものであって、それはそれは幸せなんだろうな。わたしは天国というものをそんな場所だと夢想している。幸せな天国。
 ここまで書いてきて、いい話になって終わろうとしているところ、ぶち壊すようだけど、やっぱり無人島に持って行く1冊が決められないな。(えっ? この期に及んで?)というわけで未だに決められない星。1冊じゃなくて2冊にしてくれぇぇ。でもやっぱり聖書にしておきたいと思います。うんうん、そうしよう。みなさんも無人島にはエロ本ではなくて聖書を持って行ってくださいね、ってここまでの文章からすると説得力全然ないけど、ま、聖書の方がいいと思うな。ページ数も多いし(それが理由?)。いやいや、聖なる書物だからですよ。無人島には聖書を持って行きましょう(ってここまでどっちにしようか迷ってたお前が言うなよ)。
 というわけで、わたしは無人島には聖書を持って行きます。これでスッキリしたぁ。

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